レ・ミゼラブル原作略年表
  主な登場人物の出来事 フランスの出来事
1769年 ジャン・ヴァルジャン、生まれる。
幼くして両親を亡くし、年の離れた姉に育てられる。
 
1773年 ティナルディエ、生まれる。  
1774年   マリー・アントワネット、王妃となる
1780年 ジャヴェール、服役囚の父母の間に監獄中で生まれる。
後に自らの出自境遇を憎み、社会秩序を守る法の番人たろうと
して、犯罪者に容赦無い人間となっていく。
 
1789年 ティナルディエの妻、生まれる。 フランス大革命勃発
1792年   フランス第一共和政成立
1794年   マリー・アントワネット処刑される(恐怖政治)
テルミドールのクーデターでロベスピエール失脚
総裁政府成立
1795年 ジャン・ヴァルジャン(25)、極貧生活に飢えた姉家族のために
一本のパンを盗んで捕まり有罪宣告を受けトゥーロン徒刑場に
収監される。
服役中、姉家族を心配して何度も脱獄を試み、その度に刑期が
延びて19年の長きに渡り投獄される。
彼の刑期途中、ジャヴェールが徒刑場に看守として赴任する。
ポール・バラスによる政権樹立
1796年 ファンティーヌ、生まれる。  
1799年   ナポレオンのクーデターにより執政政府成立
1804年   ナポレオン、皇帝即位する(第一帝政)
1810年 マリユス、生まれる。  
1811年 ファンティーヌ(15)、パリに出て女工となる。  
1814年   ナポレオン退位、ウイーン会議でルイ18世に
ブルボン朝復位が認められる。(復古王政)
1815年    ティナルディエ(43)、戦場で兵士の遺体から金品を漁っている
途中に 偶然マリユスの父ポンメルシー大佐を助ける。
ナポレオン、エルバ島から脱出し復権するも、
ワーテルローの戦いで敗れる。(百日天下)
   
ジャン・ヴァルジャン(46)、釈放される。
ジャン・ヴァルジャン、前科者の通行手形しかなく彼の異様な
風体に 誰一人手をさしのべてくれる人も無い放浪の途中に、
ミリエル司教が一夜の宿を与えてくれたが彼は銀食器を盗んで
逃げ警官に捕まる。しかし司教は盗まれた事を否定し、さらに
銀の燭台を彼に与えた。
司教の無私の愛を目の当たりにして、長年の獄中生活で荒み、
世の中全てを憎悪していたジャン・ヴァルジャンの心は大きな
衝撃を受けて苦悩し、やがて彼は善良な人間として再出発する
事を決意する。
ファンティーヌ(19)、10歳年上の学生トロミエスと恋に落ち
身籠るが、 後に捨てられる。
1816年  コゼット、生まれる。   
エポニーヌ、生まれる。
1817年  ジャン・バルジャン、モントルイユ・シュル・メール市に流れ
着き、 黒ガラス工場を始める。
  
アゼルマ、生まれる。
1818年  ジャン・バルジャン(49)、工場を成功させて、マドレーヌと
名乗るようになる。
  
ファンティーヌ(22)、幼いコゼット( 2)を連れてパリを離れ、
途中で立寄ったモンフェルメイユ村の宿屋ワーテルロー亭、
ティナルディエ夫婦に娘を預け、故郷モントルイユ・シュル・
メールに戻り、そこで子供のいる事を隠してマドレーヌの工場
に雇われる。
1819年    ジャン・ヴァルジャン(50)、市長に就任する。     
ジャヴェール(39)、モントルイユ・シュル・メール市の警察に
着任する。

マドレーヌ市長が実はジャン・ヴァルジャンではないかと次第に疑惑
を募らせていく
ジャン・ヴァルジャン、事故を起して馬車の下敷きになった、
フォーシュルヴァン老人をその怪力で救い、膝を悪くした彼に
パリのプチ・ピクピュス修道院に庭番の職を世話する。
ファンティーヌ、子供のいる事が周囲にばれて身持の悪い女と
噂が立ち、工場を解雇される。
新たな働き口もなかなか見つけられず、裁縫の安工賃で糊口を
凌ぐが、ティナルディエからのコゼット養育費催促に、自分の
美しい髪と歯を売る。
だが、ティナルディエからの貪欲な金の催促はさらに続いて、
困った彼女に残された売れるものはもう・・・
1821年 ジャン・ヴァルジャン、ミリエル司教(82)の死去を知り、喪に
服す。
 
1822年 ガヴローシュ、生まれる。  
1823年   ファンティーヌ(27)、街で騒動を起しジャヴェールに逮捕され
そうになったところをジャン・ヴァルジャンに助けられるが、
それまでの貧困生活がたたり倒れる。
ジャン・ヴァルジャンの屋敷で療養するが、すでに病は重く、
コゼットとの再会を夢見ながら果たせず亡くなる。
   
ジャン・ヴァルジャン(54)、自分と間違われて告発された人を
救うため、法廷で自ら正体を明かし逮捕される。
無期懲役を宣告され、海軍軍艦オリオン号で労役中海に落ち、
死亡したとされる。
ジャン・ヴァルジャン、コゼット( 7)をひきとってパリ市街に
潜伏する。
1824年  ジャヴェール、パリに赴任する。   
ジャン・ヴァルジャン、フォーシュルヴァン老人の助けを借り
コゼットとともにプチ・ピクピュス修道院に入りジャヴェール
の追求を逃れる。
1826年 ティナルディエ一家、破産しパリに移る。  
1829年 ジャン・ヴァルジャン、フォーシュルヴァン老人の死去を機に
修道院を出てパリ市内に潜伏する。
 
1830年 マリウス(20)、公園で見かけたコゼット(14)に恋する。 七月革命
オルレアン家ルイ・フィリップを王とした
立憲君主制成立(七月王政)
1831年  ジャン・ヴァルジャン、ティナルディエの起した事件に巻き込
まれる。
  
ジャヴェール、ティナルディエ一家を逮捕する。
1832年   ジャン・ヴァルジャン(63)、パリの暴動で瀕死の重傷を負った
マリユスを助けて地下下水道に入る
王政に反対する共和派の暴動勃発  
エポニーヌ(16)、ガヴローシュ(10)、暴動の中で銃に撃たれて
死亡する。
ジャヴェール(52)、スパイとして暴動中のバリケード内に潜入
したが正体が露見し殺されるところをジャン・ヴァルジャンに
救われ、それまでの自分の価値観を打砕かれて自殺する。
1833年     コゼット(17)、マリユス(23)と結婚する。      
ジャン・ヴァルジャン、マリユスただ一人にだけ自分の過去を
告白し、 コゼットの幸せを思って若夫婦のもとを離れる。
ティナルディエ(62)、マリユスを強請って手にした金を持って
アゼルマ (16)とともにアメリカに渡り、奴隷商人となる。
マリユス、ティナルディエから聞かされた話から、パリ暴動の
最中に自分を救ってくれたのが他ならぬジャン・ヴァルジャン
であったのを知った。
命の恩人とも知らず、前科のある事で彼を避けた自分を恥じ、
マリユスはコゼットとともに義父の元に急いだ。
ジャン・ヴァルジャン(64)、亡くなる。