【 こんにちはアン 〜Before Green Gables 】
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贈呈者 |
おしろい伯爵
さま |
2012年2月4日 |
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おしろい伯爵様から
エリーザ・トーマス嬢をいただきました♪
・・・1886年、カナダのノヴァスコシア州ボーリングブロークにある小さな黄色い家で、
高校教師をしていた夢見がちな父ウォルター・シャーリーと読書の大好きな母バーサの間に
生まれたアンは、生後わずか3ヶ月で両親を流行り病で亡くしてしまいました。
そして、ただ一人この世に残されたアンには面倒をみてくれる親戚もなく、シャーリー家に
お手伝いに来ていたトーマスのおばさんの家に引き取られます。
これは想像力豊かな少女、アンがプリンスエドワード島のカスバート兄妹に引き取られ、
グリーンゲイブルズのアンとなる前の物語です・・・
トーマス家に引き取られたアンが6歳になった頃、この家は一家の主人バートがまともに
働こうとしないせいでとても貧乏でした。そして、酒を呑んでは荒れる夫や家計のやりくり、
子供たちの世話に疲れて果てていた妻のジョアンナは、自分に親切にしてくれていた少女の
母親バーサとの友情を忘れ、その忘れ形見であるアンについつい辛く当たってしまいます。
そして、いたずら盛りのホーレスやエドワードは、父親にかまってもらえないさびしさから
よくアンをからかい、まだ1歳の赤ん坊のハリーは泣いてばかりいました。
そんなトーマス家で子守や家事の手伝いに追われる日々を過ごしていた幼いアンにとって
唯一の慰めは、17歳になる長女エリーザの存在でした。エリーザはお針子の仕事で疲れて
いても、アンに本を読んでくれたり、おしゃべりを聞いてくれたりして、トーマス家で唯一
アンに優しく接してくれ、アンは実の姉のように彼女を慕っていました。
しかし、そんな優しいエリーザとのお別れがすぐそこまで迫ってきていたのを、その時の
アンはまだ知る由もありませんでした。
それは、ボーリングブロークの木々が黄色や赤に色づき始めた頃のことでした。
お針子の仕事の帰り道、エリーザは、若い娘たちの憧れの的であり、彼女もほのかな想いを
寄せていたロジャーに、大事な話があると呼び止められ、誰もいない川辺へと誘われました。
「あの・・・ロジャー・・・大事なお話って?」
「うん、急にこんなことを言い出して、君は驚くかもしれない・・・
本当は、もっとゆっくり、君との距離を縮めていきたいと思っていたんだけど・・・
ところが、来月、僕は仕事でロンドンへ行くことになってね・・・
帰ってくるのは何年か先になるだろう・・・
それが決まった時、真っ先に思ったのは君のことだった
そんなに長い間、君の顔を見られないなんて、僕には耐えられそうにない
それに、もしかしたら、その間に君が誰か他の男のものになってしまうんじゃないかって、
そう思うと僕はもう居ても立ってもいられなくなったんだ
君は気付いていなかったかもしれないけど、僕は学校で一緒だった時から君を見てきた
そして、ずっと思ってた・・・君は、一生を共に過ごすに相応しい人だって・・・
エリーザ、君を妻として連れて行きたい」
「ロジャー・・・」
「お願いだ、エリーザ、うんといっておくれ
それとも、僕のこと、嫌いかい?」
「そんなこと・・・でも、学校に通っていた頃、あなたは学年が上だったから、そんな風に
あなたをみてなかったの、だから、あなたがわたしのことを想っていてくれたなんて聞いて、
びっくりしてしまって・・・」
「驚かせてごめんよ、でも、僕の気持ちは嘘じゃない、本気なんだ
エリーザ、僕のお嫁さんになるのは嫌かい?」
「嫌だなんて・・・わたし、あなたのお話を聞いて、嬉しかった・・・」
「じゃあ」
「ううん、だめよ・・・
だって、ロジャー、あなたは、この辺りで一番のお金持ち、エマーソン家の跡取り、どんな
名家のお嬢様でも望めるのよ・・・きっと、あなたのお父様だってそうお思いのはずだわ
それに比べてわたしの家は・・・わたしのお父さんが周りのみんなから何て言われているか、
あなたも知っているでしょう?
わたしはあなたに何もあげられない・・・わたしなんかと結婚したら、いつかあなたを後悔
させてしまうわ・・・」
「親や家がなんだって言うんだい、そんなの、僕の君への想いとは何の関係もないんだ
よし、じゃあ、見ててごらん」
「ロジャー、いったい何を?・・・
キャッ、ロ、ロジャー!?」
「エリーザ、目をそらさないで、僕を見て・・・これで、僕はもうエマーソン家のロジャー
じゃなくて、君に恋しているただの一人の男でしかない
さあ、君も家のことなんか忘れて、一人の女になってごらん」
いつか、父親とは違う誠実な人と巡り合い結婚することを夢見ていたエリーザは、青年の
瞳に宿る真剣な光に魅入られたように、こくんとうなずくと、着衣を脱いでいきました。
「ね、こうして生まれたままの姿になれば、僕たちの間にはもう家柄の違いなんて何もない、
お互いが想い合っていれば、結婚するのに何の差し障りもないって、君にも分かるだろう?
さあ、恥ずかしがらないで、その手を退けて、僕に君のすべてを見せておくれ・・・
ああ、エリーザ、とてもきれいだよ・・・
かわいそうに、そんなに震えて・・・君のすべてを見たのは僕が初めてなんだね?
さっき君は、僕に何もあげられないって、そう言ったけど、僕が欲しいのは君だけなんだ
誓うよ、これからはずっと僕が君を守ってあげる・・・
エリーザ、誓いのキスをさせてくれるかい?」
エリーザは答える代わりに目を閉じて、青年の唇を受けました。
「うれしいよ、エリーザ、君の気持ちを確かめられて・・・
だけど、僕は二人の関係をもっと確実なものにしたい、君を今すぐ僕のものにしたいんだ
いいだろう、エリーザ」
「ロジャー、それって・・・わたし、恐いわ・・・」
「大丈夫、僕に任せて」
エリーザは、これから自分の身に起こる事に本心から恐れを抱いていました。
それは、エリーザが処女であることからくる不安も然る事ながら、父親と母親のセックスの
あり方を、直接見たわけではないにしても、想像していたからです。
夜も更けた頃に、父親のバートが母親の部屋に来て、疲れているからと嫌がるジョアンナを
強引にいつも自分が寝起きしている納屋へ連れ込み、その後、父親が野獣みたいに叫ぶ声や
母親の悲鳴を何度も聞いていたエリーザは、普段からジョアンナに平気で手を上げる父親が
その時、どれほど手荒なことをしているのか、考えるだけで恐ろしかったのです。
しかし、ロジャーは、そんな彼女の恐れを忘れさせるように、枯れ草の褥に横たわらせた
エリーザの手付かずの体にやさしく愛撫を重ねて、羞恥と快感の狭間で震える少女の肉体を
熱らせていきました。
ロジャーが中に入ってきた時、元々がまん強いエリーザは、破瓜の痛みを健気に耐えながら、
ついさっきまで、こんなことが起きるなんて考えてもいなかったのに、今、こうして自分と
ロジャーが一つに繋がっていることを不思議な思いで感じていました。
やがて、切ないほどの快楽の波が押し寄せてきて、何も考えられなくなったエリーザは、
初めて芽生えた肉欲の求めるままに体を絡ませ、ロジャーの名を呼びながら無我夢中でその
動きを受け止めていきました。
そして、青年が自分の中で果て、子宮が彼の物で満たされた感覚は、エリーザに、自分が
もう少女ではなくなり女になったのだということを実感させます。それに喪失感がなかった
といえば嘘になるかもしれませんが、それよりも愛する人と結ばれた幸せにエリーザの心は
満たされていました。
『あんなお父さんだけど、お母さんもそうなのかしら』
心のどこかでそんな思いを抱きながら、エリーザはロジャーについて行くことを決心したの
でした。
otto |
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