【  若草物語 ナンとジョー先生  】


贈呈者 おしろい伯爵 さま 2011年8月12日






おしろい伯爵様から

アニー・ハーディング(ナン)嬢をいただきました♪


・・・若草物語から19年、あの勝気だったジョーも結婚して今は2児の母となり、理想の
教育を目指してコンコード郊外のプラムフィールドに全寮制の学校を作った夫のフリッツを
手伝っていました。
 そんなプラムフィールドにある日、一人の女の子が現れます。その女の子の名はアニー・
ハーディング、通称ナン。そのあまりのお転婆ぶりに家庭教師を何度雇ってもすぐに辞めら
れてしまい、ほとほと困った父親によってここへ預けられることとなったのでした。
 ナンを駅まで出迎えに行ったジョーたちとすれ違いに、先に学校に着いたナンでしたが、
そこには、今度来る女の子がとてつもないお転婆だと聞いて、女の子になめられてたまるか
とばかり腕白坊主のトミーたちが待ち構えていて、ナンを泣かせてやろうと頭からバケツの
水をかけます。けれどもナンは泣くどころか逆上して暴れだし、男の子たちの方が逆に追い
回されてコテンパンにされてしまいます。
 ジョーが戻って来て見たものは、台風が去った後のように荒れ果てた学校と、服は破れ、
泥だらけになったナンの姿でした。けれど、ジョーは怒る代わりに笑い出してしまいます。
まるでお転婆だった自分の子供時代を見ているようで、一遍でナンが好きになってしまった
ジョーは、これからナンがどんな悪戯を仕出かしてくれるかと思うとワクワクしてしまうの
でした。

 さて、今日のナンは、どんな騒動を巻き起こしてくれるのでしょうか・・・



「ナン・・・ナン・・・起きなさい」
「ん・・・あ、ジョー先生?」
「ジョー先生、じゃありませんよ、おやつの時間にも戻らないから、探しにきたのよ
それなのに、こんなところで寝ているなんて・・・しかも、そんな格好で」
「あ、これ? これ、トミーが悪いのよ」
「トミー? まさか、いくらトミーでも、女の子を裸になんかしないでしょう?」
「ううん、そうじゃないけど、やっぱりトミーのせいなの
うんしょっと
ね、聞いてよ、ジョー先生・・・」

 それは、午前中の授業が終り、昼食の後、みんなで川遊びに出かけた時のことでした。
内緒で海水パンツを下に着込んでいた男の子たちは服を脱ぎ、ナンをのけ者にしてザブザブ
川に入って、気持ちよさそうに遊び始めます。
それが、何かにつけ自分に対抗心を燃やすトミーの意地悪であるのが分かっていたナンは、
いっそ自分も裸になって川に飛び込んでみたら、男の子たちはどんな顔をするかしら、とも
思いましたが、トミーの挑発に乗るのはやっぱりシャクで、さも、そんな子供っぽい遊びに
興味ないわ、とでもいうように川岸で涼んでいました。
 そうして、なかなか思うように計略に乗ってこない相手に業を煮やしたトミーは、さらに
ちょっかいを出してナンに水をあびせかけ始め、それがあまりしつこいので、元々それほど
大きくもない堪忍袋をとうとう爆発させたナンは服のまま川に飛び込んで、トミーと取っ組
合いのケンカを始めたのでした。

「ふぅーん・・・で、どっちが勝ったの?」
「あら、もちろん、あたしが勝ったに決まってるじゃない!
そりゃあ、トミーに後から押さえ付けられた時にはもうだめかと思ったけど、アイツ、急に
ビックリしたみたいにあたしの胸から手を離したから、その隙に肘鉄砲を食らわしてやって、
それから後は一方的だったわ」
「まあ、トミーったら、ウフフフフ」
「それでね、みんな降参して、引き揚げて行っちゃったから、あたしは川を独り占めにして
ここまで泳いで来たの
だけど、服がずぶぬれのままだと、その・・・先生に叱られると思って・・・
それで、服を乾かしてたんだけど・・・いつのまにか眠っちゃったみたい」

(そう・・・そういうことだったのね? だからさっき、わたしがこっちに来たのを見て、
あの子たち、コソコソ逃げ出したんだわ・・・
それにしても、デミやナットが女の子の裸に興味を持つなんて、ウフフ、やっぱり男の子ね
まあ、もっとも、みんなトミーにそそのかされたんでしょうけど・・・
スタッフィーは・・・たぶんまだ興味なんかないかもしれないけど、あの性格じゃトミーに
逆らえなかったのかもしれないわねえ・・・
さあ、あの子たちには、どんなお仕置きが必要かしら?)


 それは、今から10分くらい前のこと。
『まったく、あれでもナンは女の子なのかねぇ・・・ホント、やんなっちゃうよ』
『でも、あれはトミーが悪いよ』
『なんだって? デミ、だからおまえはダメなんだよ、いくら勉強ができたって、女の子に
なめられたら、男はオシマイなんだぞ!』
『ねー、二人ともー、もうケンカはやめようよー』
『スタッフィー、おまえはだまってろ
って、おい、みんな、あれを見ろ!』
『あー、ナンだぁ・・・でも、ナン、なんで裸んぼなのォ?』
『み、みんな、だめだよ、こ、こんなの、見ちゃいけないよ』
『シッ、ナット、だまって!・・・へへぇ、こりゃあ、チャンスじゃないか?』
『トミー?』
『分からないか、デミ、これはナンを泣かす絶好の機会だって、そう言ってるんだよ』
『いったい何をするつもりなんだい?』
『な〜に、先生がいつも言ってることをするだけさ
物事を知るには、まずそれをよく観察することが大事だって、そう言ってたじゃないか
だから、俺たち、ナンがホントに女なのかどうか、よーく見て、それを確かめるのさ
その後アイツを起こしてやるんだ、俺たちにみんなにアソコを見られたと分かりゃ、いくら
ナンでも泣き出すに決まってらぁ
な、これでこれまでの負けも、ぜ〜んぶ帳消しさ』
『ト、トミー、それじゃあんまりナンがかわいそうだよ』
『チェッ、やっぱこっからじゃよく見えないな
いいからもっと近くに行こうぜ、デミ、ナット
それとも、二人とも、どうしても女の味方をしたいっていうんなら、もう男同士の仲間には
入れてやらない、デーズィとオママゴトでもしてりゃいいのさ』
『そんなのひどいよ、トミー・・・分かったよ、一緒に行くよ』
『ごめんよ、ナン・・・でも、僕・・・』
『あー、待ってよ、ボクもいくよー』
・・・・・・
『ス、スゲエ・・・ホントに女には、チンチン、付いてないんだ』
『や、やっぱり、こ、こんなの、もう、よそうよ、こんなことしちゃイケナイんだ』
『バ、バカだな、デミ、こ、こんなの、ど〜ってこと、な、ないじゃないか』
『キ、綺麗だ・・・女の子って・・・デーズィも・・・こうなのかな?』
『こんなの違うよー
だって、ママのはモジャモジャしてて、オッパイだって、もっとうーんと大きいもん』
『な、なあ、この、スジ、中、どうなってるんだろう? もしかしたら、開くんじゃないか?
ひ、広げて・・・みようか・・・』
『ト、トミー、も、もう、やめようよ
そんなことをしたのが分かったら、ジョー先生、絶対許してくれないよ』
『でも・・・でも、中に、チンチンが隠れてるかもしれないじゃないか・・・
カンサツ・・・そ、そうさ、これは先生が言ってた、観察なんだからな・・・
よ、よ〜し・・・や、やるぞ・・・』
『あー、ジョー先生だー、ジョー先生ー、今日のおやつ、ムグッ』
『バ、バカ、スタッフィー、ヤメロッ!
ヤ、ヤバイ、ホントに先生だ! みんな、逃げろ!』


「そう、話はだいたい分かったわ・・・
でもね、ナン、その格好は、どうなのかしら?
女の子の大事なところが丸見えで、恥ずかしくない?」
「あら、なんで? だってここには、あたしと先生しかいないじゃない?」
「そうかしら? 
たとえば、今、デミやナット、スタッフィーやトミーがここに戻ってきたらどうするの?」
「平気よ、だって、デミは紳士だもの、ぜったいあたしの裸なんかみないわ
それにナットははにかみ屋だから、きっと見もしないで逃げ出しちゃうんじゃないかしら?
スタッフィーはおやつを食べて、今頃は今夜の夕食の夢でも見てるんじゃない?
もしもトミーがあたしの裸を見たりしたら・・・目をひっかいて、ズボンを脱がしてやって、
アイツのオチンチンをあたしも見てやるんだから!」
「まあ! (ウフフフ、さすがのわたしもお転婆ナンには敵わないわねぇ)
それじゃあ・・・もし、ダンが来たらどうするの?」
「エッ!? ダン? ダンが帰ってるの?
だって、ダンはお使いに行ってて、今日は戻らないんじゃ?」
「それが、お使いが思ったより早く終わって、もう帰って来てるのよ」
「そ、そうなの・・・」
「さて・・・そんな格好でも恥ずかしくないなんて言う女の子には、きついお仕置きが必要
なんじゃないかしら?
だから、こうしましょう」
「アッ、あたしの服!」
「こんなに汚れてしまったら、洗濯しないわけにはいかないでしょう?
だから、これはわたしが持っていきます
代わりの服は・・・そうね、ダンに持って来させましょう
それまであなたは、ここで待ってらっしゃいな」
「そ、そんなぁ・・・ダンに・・・ダンに見られちゃう!?」
「あら、あなたの裸を見たら、目をひっかいてやるんじゃなかったの?」
「でも・・・でも、ダンに見られたら、あたし・・・
オネガイッ! 二度とこんな格好になったりしませんから、だからそれだけは許してッ!」
「・・・・・・プッ、アハハハハ・・・冗談、冗談よ、ナン
わたしがそんなことするはずないじゃない?
それに、あなたがやっぱり女の子だって分かって、ほっとしたわ」
「あら、なんのこと? あたし、女の子に決まってるじゃない?」
「それはね、あなたがもう少し大人になったら、きっと分かると思うわ
だから、それまでの宿題にしましょうね・・・ウフフフ」
「あ〜、やっぱり先生、なんかイジワルだ〜
ねえ、なんでそんなに笑うの? ねえ、教えて、教えてよ〜」
「ウフフフ・・・今は内緒、内緒ですよ、ナン」


 さて、その後男の子たちに対するお仕置きがどうなったかというと、スタッフィーを除く
全員が眠れぬ夜を過ごして目にクマを作り、それが1週間ほど続いたのを見て、結局ジョー
先生は何もしなかったそうですw


                                      otto