【  BeMyBaby 小さな好奇心  】


贈呈者 真紅 さま 2004年5月2日






真紅様から 「小公子セディ」より
コッキー&セディをいただきました


 父を亡くして、アメリカからドリンコート伯爵であるおじいさまのいるイギリスへ
渡ったセディは、次期当主として貴族の若君となったのでしたが、芯のしっかりした
ほがらかな母親アニーに育てられてきたおかげで、そんな立場の変化にも驕ることの
無い素直で明るい少年でした。
 セディもようやくお館の生活にも慣れ、近くの村の子供たちにも友だちができて、
中でもこちらに来て早々、別れ別れに暮らす事になってしまったお母さんの家で賄い
をしているケティおばあさんの孫、年下のおちゃめなコッキーちゃんとは大の仲良し
です。
 そして今日もコッキーちゃんがセディのところへ遊びに来てくれました。若君付き
メイドのジェーンが用意してくれたお菓子やジュース、そしてなによりも、ちょっと
舌足らずですがおしゃべり好きなコッキーちゃんからお母さんの様子を聞いて楽しく
午後を過ごしたセディはお家に帰るコッキーちゃんをお館の敷地の外れまで見送って
行くことにしました。

 しばらく二人でおしゃべりをしながら歩いて行くとやがて広大なお館の森も途切れ、
村への街道が近づいてきた頃、コッキーちゃんは急に口数が少なくなってモジモジし
出しました。
「おにいちゃん、もうこのへんでいいわ
きょうはごちそうさま、またあそびにきてもいい?」
「うん、もちろんさ、きっとまた来てね」
「うん、きっと、じゃあ、おにいちゃん、さよなら」
 帰っていくセディに向かって手を振っていたコッキーちゃんは、その姿が見えなく
なると、周りをキョロキョロと見回しました。そして、起伏のある坂道を登っていた
セディが後ろを振り返ると、ちょうどコッキーちゃんが街道へ行かず森の中へ入って
行くのが見えます。なぜまっすぐ家に帰らないんだろうと、不思議に思ったセディは
木々の間を抜けて近道をしてそちらに行ってみることにしました。
たぶんこの辺だろうと見当をつけたセディは小さな崖を跳んで下生えを突き抜けました。
《ザザッ》
「あ、コッキー、やっぱりここにいたんだ!
ねえ、まっすぐ帰らないでどうしたの?
それにそんなとこにしゃがんで、珍しいお花でも見つけたの?」
「エ? お、おにいちゃん!? かえったんじゃ?
アッ、アアァァァッ、キャァ!!」
 誰もいないと思っていたコッキーちゃんは急に目の前に現れたセディに驚いた拍子
にバランスを崩してしまいます。
「あ、あぶない!」
 転びかけるコッキーちゃんを助けようと、セディはひざをついて手を伸ばしました。
でもそれも間に合わず、コッキーちゃんは後ろにひっくり返ってしまい、倒れしなに
なにかに掴まろうとするように、スカートの裾を持っていた手を胸元に引き付けて、
こぶしをギュっと握っていました。

「コッキー、だいじょうぶ?」
「うん・・・急におにいちゃんが出てきたから、ビックリしちゃった」
「よかったぁ、さあ、起こしてあげる」
 倒れた時身構えて硬く瞑った目を開き、キョトンとしているコッキーちゃんの顔を
覗いていたセディは少女を起こそうとして自分から先に立ち上がります。
セディの目に地面に広がったエプロンドレスのピンクや黄色の布の重なりが、まるで
大きな花びらのように映りましたが、彼の目が少女からさらに離れるにつれて、何か
違和感がありました。それが何かに気づいてハっとしたセディは急いで後ろを向いて
しまいました。
「ん? おにいちゃん、どうしたの?」
「あ、あの・・・コッキー、下着、どうしてはいてないの?」
「えっ?・・・アッ!!」
 突然の出来事にすっかり慌てて、さっきまで何をしようとしていたかを忘れていた
コッキーちゃんは自分が今どんな格好をしているかやっと思い出し、赤くなった顔を
隠そうとスカートを引っ張って、さらにお腹まで丸見えになってしまいました。
「あの、あのね、わたし、ちゃんと、はいてたの・・・でも・・・」
 ふと茂みに目を落としたセディはフリルが付いて自分が着けている物よりかわいい
下ばきがそこに乗せてあるのに気づきました。
「ああ、これだね? でもなんでこんなところで脱いだの?」
「わたし、うまくしゃがんでらんないの・・・ぬがないとよごしちゃうの、だから」
「ん?」
その・・・おしっこ・・・
さっき、ジュース、のみすぎちゃった、みたい

「へぇー、女の子って、しゃがんでするんだね!?」
「ああ! ダメェ!!」
 自分の方に振り返ったセディに隠そうとしてコッキーちゃんはあわててスカートを
直しました。

「ねぇ、コッキー、どうして女の子は立ってしないの?」
「まあ! おにいちゃんったら、女の子はたってできないの、しらなかったの?」
「うん・・・どうしてなんだろ? 何が違いがあるのかなぁ?
そうだ、ね、コッキー、確かめさせてくれる?」
「たしか、める?」
「女の子が男の子とどういう風に違うのか、見てみたいんだけど」
「えー、でもぉ・・・おにいちゃん、さっき、わたしの……みた、でしょ?」
「うん、でもちょっとだけだったから、もう一度よく見てみたいんだ」
「そう・・・」
(大すきなおにいちゃんのおねがいだからって、こんなこと、いいのかなぁ・・・
おばあちゃん、ココを男の子にみせちゃだめだっていうし、でも、おにいちゃんの
いうことはきかなくちゃいけないっていうし、わたし、どうしたらいいかしら)
 コッキーちゃんにはケティおばあさんに注意されていたことがあったのでした。
それは―――
『いいかい、コッキー、いくら若君がおまえと仲良くしてくださるからといっても、
おまえは伯爵家の使用人の孫なんだから、わがままは言わないで若君のお言付けには
決して逆らってはいけませんよ』
『もう!おばあちゃんったら・・・
わたしもう赤ちゃんじゃないんだから、おにい、ううん、わかぎみのおねがいなら
なんだってきいてあげるわ!』
『お願い、ねぇ・・・まあ、いいでしょう。そうしておくれ』
また、こんなことも言われていたのです。
『まったく、ピーターときたら、しょうがないねぇ・・・
あれもまだあの年じゃ、そう悪さもできないだろうけど腕白も度が過ぎるとこれから
先が思いやられるってもんさね・・・
コッキー、おまえもまだ小さすぎて解らないだろうけど、これだけは守っておくれよ。
男の子にスカートの中は絶対見せない事、いいね?』
『うん、わかった、おばあちゃん。だいじょうぶ、ほっぺをひっぱたいてやったから、
ピーターももうあんなこと、しないとおもうわ!』
『コッキー・・・やれやれ、まあ、いいでしょう』
―――どちらの言いつけを守ればいいのか、コッキーちゃんは困ってしまいました。
 眉間にしわ、はできませんでしたが、それでも一生懸命考えたコッキーちゃんは、
ピーターの言うことより若君の言うことをきく方が正しいような気がしました。
それに、自分で見せたわけではないけれど、一度見られた男の子に、もう一度見せて
いけないとは言われていないとも思ったのです。

「うん、いいわ! おにいちゃんなら」
「うわぁ!コッキー、ありがとう!」
「おにいちゃん、うれしい?」
「うん、だって僕、初めてだもの」
「そう、よかった・・・じゃあ」
 コッキーちゃんはゆっくりとスカートを持ち上げていきました。
でも、セディがあまり真剣な眼差しで見つめているので途中からなんだかとても恥ず
かしくなってきて、おずおずと手が止まりそうになります。村の自分と同じくらいの
女の子が暑い夏の日に平気で丸裸になっているのを見ても、それを変に思ったことも
なかったのに、今何故そうなるのか、自分でもはっきり理由が解りませんでした。
しかしその度に自分の前に跪いてキラキラと目を輝かせているセディに見上げられて、
おにいちゃんが喜ぶならと、コッキーちゃんはさらに手を持ち上げていきます。
 活発でお転婆そうな少女の身体は、幼いながら赤ん坊のものとも違う、ふっくらと
柔らかそうな曲線を描き、普段、スカートに隠された肌は淡くも健康そうなバラ色に
染まっています。
 そしてとうとう、一番大事なところも見えるようになりました。
「へぇー、そうかぁ、女の子って、こうなってたのかぁ!
これじゃ、立ってできないの、あたりまえだよね?
うーん・・・でも、あれが無いと、どこからするのかなぁ?
それに、これじゃちょっと見づらいや」
「あっ! おにいちゃん!?」
「ごめん、コッキー、ビックリさせちゃった?
でも、もうちょっとがまんしてくれる?」
「う……ん」

 セディがコッキーちゃんの太ももに副えた手に少し力を加えて外側に広げるように
すると、おとなしく脚を開いてくれました。
左手で脚を抑えたままセディは右手をコッキーちゃんのお腹に持っていき、触診する
ように撫でながら下に、少女の大事な部分へ動かしていきます。
少しくすぐったいのか、身じろぎをするコッキーちゃんの動きに合せて脚の付け根の
ラインが動き、その間に挟まれているわずかに膨らんだ部分の形も変わっていきます。
掌に収めた股の付け根のその部分は剥きたてのゆで卵のようにつるつるとすべらかで、
真ん中にはスッと引いたような線が刻まれているのが感じられます。
その輪郭をなぞり指で摘むと、それはどこよりも柔らかく、はかなげで、それでいて
弾力がありました。
 そして中央のスリットの奥はどうなっているんだろうと、セディが指を押し当てた、
その時でした。
……ちゃん、おにいちゃん、いたい
「エッ!?」
「いたいの、それに、なんだか・・・こわい」
「あ! ごめん、コッキー、ココ、痛くした?」
「ううん、ちがうの、ソコじゃなくて、あしが・・・
おにいちゃんがあんまり力をいれたから・・・」
 コッキーちゃんの脚を押さえていた左手に知らず知らず力がこもってしまっていた
のか、少女の太ももにはうっすらとセディの指の跡が残っていました。

「ごめんね、コッキー、ほら、さすってあげる……
どお? 少しはよくなった?」
「うん! でも、さっきのおにいちゃん、ちょっとこわかった」
「コッキー、ホントにゴメンね
かあさんに、女の子のおだいじに乱暴なことをしちゃいけないって聞いてたんだけど、
つい、夢中になっちゃった・・・」
「オダイジ?」
「うん、女の子の股のところ、おだいじ、って言うんだって
なぜそんな話になったかというとね、僕がニューヨークにいた時、キャサリンって、
仲良しの子がいたんだ」
「まあ! ガールフレンド?」
「うーん・・・というか女の子のともだち、かなぁ?
キャサリンは僕を弟みたいに思ってたみたいだけど」
「それでそれで?」
「うん、いつか、追いかけっこしてふざけてたら二人とも転んじゃって、下になった
僕の膝に倒れてきたキャサリンが、股を思いっきりぶつけちゃったんだ」
「うう、いたそう!」
「うん、とっても痛がってた。それで僕、こう言ったんだ
『だいじょうぶ? けがしたのなら、僕がなめてあげる』って
ほら、転んですりむいた時なんか、よくそうするよね?
そうしたら、キャサリン、顔を真っ赤にして僕のほっぺたを叩いて家に帰っちゃって、
それから何日も口もきいてくれなくなったんだ」
「まあ!」
「それで、かあさんにどうしたらいいか相談したんだけど、かあさんったら
キャサリンちゃんもおませねぇ、って笑い出しちゃって」
「うーん・・・どういうことなの?」
「さあ、僕にもさっぱり分からなかったけど、その時、女の子のおだいじはとっても
デリケートだから、痛くさせちゃいけないって、かあさんに言われたんだ」
「ふうーん、それでキャサリンとは仲直りできたの?」
「うん、かあさんがキャサリンになにか話してくれたみたいで、1週間くらいして、
また話してくれるようになったんだけど、なんだかそれまでよりももっと僕を子ども
扱いするようになったような気がしたなぁ」
「へぇー、そうなの・・・
ねえ、わたし、おにいちゃんの、おねえさんになってあげる!」
「ええー? 妹じゃなくて?」
「まあ! そのキャサ? キャサリンって子ならよくて、わたしじゃ、いやなの?」
「いや、そういうことじゃなくて・・・」
「まあいいわ、それと、さっきのこと!」
「え!? あ、あの、あれは、その・・・もうしないから、母さんには・・・」
「あら、もちろん、あれは、おにいちゃんとわたしだけの、ひみつ、でしょ?」
「あ、うん、そ、そうだね・・・」
「ううん、そうじゃなくて、またしても、いいの」
「エエーッ!? 」
「アニーおばちゃんのいうように、こんどはやさしくしてね!
じゃ、おにいちゃん、さよなら!」
「あ、コ、コッキー!!」

 トコトコとかけていくコッキーちゃんを見て、セディはさっき半べそだった子が
なんであんなことを言い出したのか、女の子ってよく判らないや、と思いながら、
自分も帰ろうとしてさきほど通り抜けてきた藪に向かいました。
 ところがそこに近づくと、ガサガサと音がします。なんだろうと思っていると、
悲鳴がしたとたん、お館のメイドの服を着た娘が転げ落ちてきました。
「あ、ああぁぁぁ!! キャッ! 痛たたた!」
「ジェーン!」
「あ、わ、若君!」
「どうしたの? こんなところに?」
「あの、若君をお迎えにあがろうとして来たのですが、わたくしが若君をお見かけ
してお声をかけしようとした時、こちらに向かわれたものですから、わたくしも
後を追いかけて、それで・・・お声をかけそびれてしまって・・・」
「ァッ・・・さっきのこと、見てたの?」
「はい・・・全部・・・」
「ああー、困っちゃったなぁ・・・
なんとなくあんなことになっちゃったけど、別にわざとじゃなかったんだ・・・
つい、夢中になっちゃって、ジェーンも声をかけてくれたらよかったのに」
「あのぉ、若君?」
「ん?」
「わたくしがお声をおかけしなかったのは、若君のお邪魔をしないようにと思った
からでございますわ」
「え? でも、ほんとうはあんなことしちゃいけなかったんじゃないの?」
「いいえ、あの程度のこと、村の子供達なら、誰でもやっておりますわ。
でも、領地の者たちが興味本位でああいうことをするのと、若君がすることでは、
意味がまるで違います。若君は伯爵家の跡取りでいらっしゃいます。そしていずれ
ご自分もご自分の跡取りをお儲けなさる義務があるのでございますから、女性にご
興味を持たれるのになんの不都合もございませんわ」
「そうなの?」
「はい、若君。それにアニー様のお言葉、ご立派でございます。
そのお心がけをお忘れにならなければ、そしてまだお解かりにならないでしょうが、
女性も一人一人違いがあって、その・・・
いろいろな、喜び方をするものなのでございます。
 いつか若君のお妃様になられる方といつまでも仲睦まじくできますよう、若君が
ご経験を積まれておくことも必要なことですわ」
「うーん、ちょっとむずかしいや。ジェーン、どうすればいいの」
「そう、ですわね・・・
若君もまだお小さいので、とりあえずさっきのように女性の身体についてお勉強を
されるのがおよろしいかと存じます。
ただ、館勤めをしていない家の娘を、片端からというのも・・・」
「なら、コッキーなら大丈夫だよね?」
「はい、ケティおばあさんも一応伯爵家に仕えておりますので、でもコッキーでは
やはり小さすぎますかしら・・・あと10年も経てば御手付きされることも・・・
あ、これは若君にはまだ先のことになりますわね」
「そうすると、僕、誰に教わるのがいいのかなぁ?」
「あの・・・若君・・・わたくしでは、いけないでしょうか?」
「え?」
「若君付メイドとして選ばれた時、若君にお手ほどきをさせていただくことあると
存じてはおりましたが、まだお小さいと聞かされておりましたので、もしもお心の
冷たい方でしたら、わたくし、若君がお長じになられる前に勤めを下がるつもりで
おりました。でも、セドリック様は違いました。アニー様と引き離されてお悲しい
のに、健気に明るく振舞っておいでになる若君を見ると、この胸にお慰めしたくて
しょうがありませんの」
「ジェーン、僕でいいの?」
「はい! 不束ですが若君のお姉さんになったつもりで若君をお守りして一生懸命
勤めさせていだだきます」



「こんばんは、母さん、今日、とてもいいことがあったんだ。
みんな僕に親切にしてくれているから、母さんも心配しないでゆっくり休んでね。
コッキーはもう寝ちゃったかな?
ごめんねコッキー、やっぱりコッキーを僕のお姉さんにはできないみたいだ。
だって、ジェーンが僕のお姉さんになってくれるって、だからコッキーは妹でも
いいよね?
あ、ジェーンが来たみたい、それじゃ、母さん、コッキー、おやすみ」



真紅様、甘酸っぱい昔の記憶を呼び覚ましてくれるような、素敵な作品をありがとうございました。

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                                                     otto