5

レディ・ペリーヌ物語 24増補改訂版



〜 レディ・ペリーヌ物語 24 〜


【 ― 別離の都パリ 後編A ― 】


 青年達が去って行くのを見届け、建物の入口の鍵を閉めて戻ったサンドリエは手術室内に
籠る淫臭の濃さを改めて感じました。
 その中心に位置する診察台の上で縛められたままだった裸身のお嬢様が息をされるたび、
小ぶりでも張りがあってツンと天を突いた如何にも触り心地の良さそうな乳房を乗せた胸が
上下し、あられもなく開かれた股間では未だ閉じ切らない秘裂から覗く朱をまとった陰唇が
ヒクンヒクンと蠢き、それに合わせて今日開通させられたばかりだというのに何度も射精を
受けたお尻の薄桃色の菊門も窄んでは緩んで、中からすでに粘り気を失った青年達の精液が
漏れ出てきて、それらを目にしたサンドリエはゴクリと生唾を呑み込みました。

「どうやら君は、ニンフォマニアであるだけでなく、ニンフェットでもあるようだ…
それにしても、このような場所を使うにはそれなりの下準備が必要だというのに、若い者は
性急でいかんな
良いでしょう、これから君に、自分でもそうした準備が出来るように教えてあげますから、
しっかり覚えるのですよ…」

 一度控室へ入り、何か携えて再び手術室に戻ったサンドリエはお嬢様の手足を縛めていた
革ベルトを外していきましたが、身も心も消耗し尽されていらしたお嬢様の瞳はぼんやりと
曇り耳に入る言葉も遥か遠くの霧笛のようにしか聞こえず、茫然とされるがままに任されて
いらっしゃいました。

 そんなお嬢様を現実に引き戻したのは、恥門に何かが突き刺さり、お腹の中に何か正体の
知れない冷たい物が注ぎ込まれてくる、おぞましい感触でした。
「んひっ!? くうううう・・・
な、何? お尻? 先生、何をしたの?!」
「なあに、女性は便秘になりがちですので、浣腸してあげているのですよ」
「わ、わたし、便秘なんて…
あぐううう!? ああっ、お腹がッ!
お願いッ、おトイレに行かせてッ!」
「いいえ、まだです、もう少し我慢するのです」
 控室で用意された特大のシリンジから腸内にたっぷり注入されたグリセリンは忽ち効果を
発揮しましたが、サンドリエはお嬢様の太ももを押さえ付け、苦悶の脂汗を額に浮かべつつ
今にも内側からの圧力に負けて開門してしまいそうになるのを必死に堪えて窄まるお嬢様の
恥門を観察していました。

「さあ、もう良いでしょう
ふふふ、この様子だと、もうとてもトイレまで持ちそうにありませんね
なら、あそこのあれを使うと良い」
 そう言ってサンドリエが指差したのは、部屋の隅に設けられた洗い場の床に置いてあった
オマルでした。
「そ、そんなッ!!」
 殿方の前で排便する事など、どうしてお嬢様に出来ましょう。ですがこのままではもっと
恥ずかしい事になってしまいます。
診察台から降ろされ促すようにお尻をポンと叩かれたお嬢様は、今にも爆発しそうなお尻を
両手で必死に押さえ、そろりそろりと洗い場へ向かわれました。
 そして、オマルにしゃがまれるやいなや、恥門が堰を切って決壊し、堪えていらした物が
お尻から激しく噴出する音を耳にされたお嬢様はお顔から火が出る思いをされました。

 ですが、それとは別に、必死に堪えていらした便意から開放された恥門には強烈な快感が
感じられ、お嬢様はすべてを出し切られた後もすぐには立ち上がれず、四つん這いになって
オマルの上から退かれました。
「お、丁度良い、そのままの格好で居てくれ給え」
 近付いて来たサンドリエがオマルに蓋をしてくれたのでお嬢様はほっと胸を撫で下ろされ
ましたが、彼は壁の蛇口を捻り、そこから伸びるホースの先から出る水をお嬢様のお身体に
かけ始めました
「つ、冷たい! 先生…
キャッ、先生、なんで裸なの!?」
 それまでサンドリエの方を見られず、俯いていらしたお嬢様が思わずお顔を上げられると
彼は全裸のようでした。ようでしたというのは、すでに勃起している彼の股間のものが目に
入って、慌てて視線を落とされてしまい、腰より上を見られなかったからです。

「何故って、あの三人に穢された君の体を洗ってあげる為ですよ
この格好なら、どんなに濡れても平気ですからね
私手ずから洗って貰えるのですから光栄に思いなさい」
 そう嘯いて、まるで物を洗うようにお嬢様の背中やお尻にホースの水をかけて洗い流して
いったサンドリエでしたが、それが終わるとお嬢様の後ろに陣取り、覆い被さるようにして
胸や腹、下腹部を素手で拭っていきました。
 柔肌を弄る彼の指の動きには明らかに性的な意図が込められ、お尻に押し付けられている
熱い肉棒がそのまま何時挿入されてもおかしくありませんでしたが、たとえ何をされようと
お嬢様にそれを拒む事は許されませんでした。

 サンドリエの左手が乳房を玩ぶ中、その右手は下腹部へ伸ばされ、秘裂を割って中指が、
次いで薬指もが膣内に侵入して来て肉襞をこそげていきます。
「くうう…お願い、そんなに強く揉まないでください、まだお胸が痛いの…
アッ、ヤッ、そこはッ!」
「ふっふっふ、こんなに私の指を締め付けて、まるでおねだりをしているようだ
ほぉら、もっと欲しいのでしょう?」
「ンウッ、指を増やしちゃヤッ!
ンアアアアッ、イヤアッ、中を掻き混ぜないでェッ!!」
「おやおや、本当に嫌なのですか? 
あんなに性交を受けた後だというのに、君のヴァギナは涎を垂らしてるじゃないですか」

 プジュ、プジュ、ジュププ、プジュ、プジュ、ジュププ…
「こんなにいやらしい音を立てて、本当はまだまだ物足りないのですね?
ですがまあ、君はニンフォマニアなのだから仕方無い
切ないのでしょう? 性交がしたくてしたくて仕様が無いのでしょう?
良いでしょう、患者の苦痛を癒してあげるのは医師たる者の務めですから、君の希望通りに
してあげましょう
ですがその前に、君のヴァギナとアヌスをさらに念入りに洗い清めなくてはなりません
これから使う所に他人の痕跡が少しでも残っていると、やはり気持ち悪いですからね
では、先ずは前から…」

「やぁ、こんな格好、恥ずかしいです
それに、『使う』って?」
「良いから、患者は医者の言う事に従うのです」
「で、でも…ヒッ、ヒイイ!」
 洗い場の床に嵌められた太い鉄格子の上に仰向けに寝かされて、開脚して両脚の膝を腕に
抱かされたお嬢様の下腹部は上を向き、隠されるべき二つの窪みが共に丸晒しになります。
サンドリエがゴムホースの先を指で潰して出口を狭め、そこからほとばしる奔流をようやく
閉じた秘裂へ当てると水圧で陰唇が再び開き、彼が手を下げると水流は膣洞に吸い込まれて
いきました。

「アグッ、中にお水がッ! アガアアア…
ヒッ、そこはだッ、ヒイィイイ!」
 近代パリにおいて整備されてから未だ日の浅い水道の水圧は一定せずに強弱を繰り返し、
サンドリエも手首を捻って角度を変えていくと、膣内で激しく逆巻く奔流となった水流は、
子宮洗浄器では流し損ねていた3人の若者達の精液を襞肉からこそげ落とし、奥に突出する
子宮下部をぶるぶると震わせ、そこで行き場を失って子宮口から内部に噴き出しました。
 そして、サンドリエが敏感な突起に狙いを変えてそこを水流で嬲ると口で吸われるのとも
舌で舐られるのとも指で摘まれるのとも違う、これまで感じた事の無い強烈な刺激を受けて
お嬢様は悲鳴を上げられ、その間に子宮から逆流した水が膣口から溢れ出て鉄格子の隙間に
呑み込まれていきました。

 古今東西、女の責め方は数々有り水責めの方法も枚挙に遑がございませんが、近代的水道
という文明の利器が責め具に使われたのは恐らくこれが世界で最初だったでしょう。
時は正に科学と発明の時代でありましたが、どんなに善い発明品でもそれを本来の目的外に
悪しき意図をもって使おうとする人間は何時の世にも居るものなのでございます。

 花芯と淫芽を交互に二度、三度と繰り返し責められている内に、いつしか苦痛が快楽へと
替わってきてしまい、お嬢様はそれが恥ずかしくて必死に覚られまいとされました。
「ンッ、ンアアア…ヒッ、ヒイイン…クッ、クアアア…ヒギッ、アヒイィイイ……
ンッ、クウウン、ダメッ! ダメエエッ!!
お願い先生ぇ、これ以上おマメをいじめないでぇ、お水の勢いが強過ぎて辛いのぉ!」
「だめですよ君、ここは、おマメじゃなくて、クリトリス
ク・リ・ト・リ・ス、ですよ!」
「ヒッ、ヒギイイイッ!!」
 サンドリエが淫芽を指で思い切り押し潰すと花芯がぎゅっと締まり、中に残っていた水が
一気に噴き出しましたが、その後に何度か噴き出した汁はお嬢様ご自身の潮でした。

「やれやれ、これでは私の子宮洗浄器も形無しですね
ですがまあ、何時でも何処でも水道が使える訳でもないので、構わんでしょう
さて、では、残るもう一つの穴、直腸の洗浄に取りかかりましょうか…
と、おやおや…あんな事をされて絶頂を迎えてしまうとは、君は本当に淫乱なのですねぇ
そんな君なら、きっとこれも気に入るに違いない…」
「ンヒイッ!? な、何? 先生、何を?!」
「言ったじゃないですか、これからここをきれいにするって
アナル性交をする前には絶対必要な措置なのに、あの三人ときたらせっかちで…
もっとも、そのお陰で君のここも活用出来ると思い付けたのですがね
これから君には、女性の持つ三つの穴のすべてを使ってお偉方達をもてなし、私の名を売る
手伝いをして頂きます
特にここが使えると知れば、お偉方達もきっと悦ぶに違いない」

 そう言ったサンドリエの目論見は、あながち的外れとも言えませんでした。
産めよ殖やせよ地に満ちよと教える基督教では受胎に結びつかぬ性の営みを否定しており、
口淫はおろか自慰さえ認めず、ましてやアナル性交など忌むべきものとされ、正妻も妾も、
娼婦でさえもが拒絶する行為で、百年以上も昔にそれを実行したさる侯爵が投獄されたりも
しましたが、禁じられていればいるほどタブーを冒した時の背徳感は大きく膨らみ、普通の
淫事では飽き足らなくなった殿方達を悦ばせるのでございます。

 しかも、近頃パリ界隈の好色家の間ではアナル性交への興味が高まっていました。
その原因は例のボルネの書いた発禁本でした。愛を求めて自ら肉体のすべてを許してしまう
少女のスキャンダラスな描写に男達の秘められた欲望が掻き立てられたのです。
お嬢様はあの本の所為で薬屋のモーリスに肉体関係を強要されてしまわれたのですが、実は
アンジョルラスもあれを読んでいて、それを真似三人がかりでの乱交、アナル陵辱に及んだ
のであり、それはまるでお嬢様をモデルにしながらもまったくの別人として描かれたはずの
妄想上の少女像にお嬢様の性体験が追いついてしまったかのようでした。
 ですが、現実はさらなる淫虐な試練をお嬢様に課そうとしていました。

 ホースの先端をお嬢様のお尻の窪みに当てたサンドリエは支えに副えた親指ごとホースを
恥門に捻じ込んでいき、女の子にとって絶対に触れて欲しくはない部分に異物を挿入された
お嬢様に狂おしいほどの羞恥の悲鳴を上げさせます。
やがて2寸ほど押し込んで指が抜かれると、薄桃色の菊花のような肉の花弁が窄まり中心を
貫くホースを真円状にぎゅっと咥えて締め付けました。
「キャッ、キャアッ!!
や、やめッ、ヒギッ、ヒイイィイイ…」
「よしよし、これだけ入れれば十分でしょう、では、始めますよ…」
「はぁ、はぁ、はぁ、始め、る? 何、を? エッ、ま、まさかッ!」

 サンドリエの手が蛇口に伸ばされるのをご覧になられたお嬢様は、彼のしようとしている
事を悟られ、先程味わわれたばかりの水流の強烈な勢いの感触が未だ生々しく肌に残る中、
それをお尻から注入されたらどうなってしまうのだろうかと不安に駆られました。
 最後にはお口にまで逆流して来るのでしょうか? それとも…
お嬢様の脳裏に思い浮かんできたのは、蛙の尻に麦藁を突き刺して息を吹き込む男の子達の
残酷な遊びでした。蛙のお腹はどんどん膨らんでいき、そして…

「イ、イヤアッ、やめッ、アッ、アアアッ、アグウウウ…」
 そんなお嬢様の懐かれた恐怖などお構い無しにサンドリエは蛇口を捻り、お尻に水を注入
していきました。
やがて、お嬢様のお腹が心做しか膨れてきて恥門の肉弁も外側に盛り上がり、このまま耐え
忍ばれるか、それとも恥門を緩めてしまわれるか、お嬢様は選択を迫られましたが、激しい
お腹の膨満感にこれ以上耐えられそうも無かったとはいえ、排便行為を再び見られる事にも
耐えられず、お嬢様はどちらも選べませんでした。

 そのようなお嬢様の逡巡を嘲笑うかのようにサンドリエはホースを一気に引き抜き、次の
瞬間、溜まりに溜まった水がお尻から噴き出しました。
 それが治まった後、お嬢様はお顔を真っ赤にされてすすり泣かれましたが、赤面の理由は
彼に排便の様子をまた見られた事もさりながら、今回も快感を感じてしまった事でした。

『わたしの体、どうなっちゃったの?
 アンジョルラスさんたちにあんな事されて、変になっちゃったの?』
 恥門を犯されただけでさえ耐え難い恥辱でしたのに、その所為でご自分がお尻でも快感を
感じてしまう変態になってしまったのではないかという受け容れ難い疑問が浮かんできて、
お嬢様を不安にさせました。
ですが、そもそも人は、溜まった便を排出する際に恥門近くの粘膜が刺激されて性的快感を
覚えるように出来ているのです。
ですから、あれほど強烈な刺激を受けてはそうなっても仕方無く、そうしたお嬢様の不安は
無用でした。
そう、まだ、今のところは…

 お嬢様がそんな不安に駆られていらっしゃる中でサンドリエの直腸洗浄は続きました。
「んぐっ、あううう、先生、もう止めてぇ…」
「いいえ、まだですよ、便秘の治療には最低3回はこうして直腸の中を洗い流してきれいに
しなければいけないのです」
『ふっふっふ、粗相無くここを使えるようにする為にね』
「アグウウ、先、生、もう、無理ヒィィ…」
「まだまだ、もう少し我慢するのです…」

 このようにしてお嬢様は2回目は1回目より多く、3回目にはお腹が膨れるのが傍目にも
はっきり判るほどお尻から水を注入され、それを排出させられました。
「ほおら、すっかりきれいになって、中はもう準備万端ですね」
「はぁ、はぁ、はぁ…準、備?」
「噴き出した物でお尻がまた汚れてしまいましたね
さあ、洗ってあげますから、立って後ろを向きなさい」
「うう…はい…」

 お嬢様はサンドリエから受けた仕打ちで脚が震えて上手く立って居られず、洗い場の壁に
肘を突いてお身体を支えられました。
ホースを持って背後から近付いたサンドリエはお嬢様の股を開かせ、水をかけながらお尻、
太もも、そして下腹部を弄るように手で拭っていき、最後にはホースを平たく潰して2筋に
分けた水流を股間に当てました。

 陰門と恥門を同時に責め立てる奔流は、あたかも生きているかのごとく脈動して、何十回
何百回と絶え間無く射精が繰り返されているように感じられました。それは何時果てるとも
知れず青年達に犯され続けた時の感触を思い出させ、抑えようとしても抑え切れない性感が
甦ってきて、お嬢様は立って居られなくなられました。
 お心ではいくらそれを否定されても、お嬢様の肉体は、隣り合う前後の窪みを抽挿される
さなか、確かに恥門でも快感を得られていたのでございます。

 官能に息を喘がせて倒れ込まれそうになったお嬢様をサンドリエが支え、壁に背中を預け
させると左の太もも、次いで右の太ももも抱え上げ、お嬢様のお身体を宙に浮かせました。
それから数瞬、されるがままだったお嬢様は突然ご自分の下腹部がビククッと収縮するのを
感じられました。
 そして、サンドリエが控室に向かって歩き出すと、お腹の奥がずんずんと突き上げられて
引き攣り、お嬢様は反射的に相手の肩に両手でしがみ付かれ、脚を絡げて腰を浮かせようと
なさいましたが、相手は抱きかかえたお嬢様のお身体をゆさゆさと揺さ振り、花芯の奥底を
突き続けました。

 その時お嬢様のお心は最前青年達から受けた陵辱の記憶で占められ、今もその内の誰かに
犯されているのだと思い違いされて、もはや抗う気力も無く諦めたようにそれを受け容れて
しまわれました。

 ですが、それは間違っていました。
「んっ、んっ、んあっ、やぁ、あっ、あっ、あん、ああん、んくっ、ふうん…」
「おおお、あれほどの事をされた、後だというのに、何という締め付けだ!」
「ふあ?…その声、サンドリエ、ん、先生?…じゃあ今、わたし…
エエッ! なんで先生まで?! ハウッ、もうお手伝い、アウッ、終わったんでしょ?
なのに、ンアアッ、なんでェッ?!」
「おおう、またヴァギナがきつくなった!
君が悪いのですよ、こんな淫らな肉体で私を誘うから
ニンフォマニアの君だって、また性交出来て嬉しいでしょう?
さあ、学生諸君の味わった快楽がどれほどのものであったのか、これからとことん験させて
貰いましょうか」
「アウッ、アッ、アッ、アッ、ハウウッ
やめてェッ、こんなのもうイヤアアア!!」

 そう、お嬢様を今まさに貫いていたのは青年達の誰でもなく、サンドリエだったのです。
青年達から三人がかりの口にするのも憚られるような陵辱を受けたばかりか、そうなるよう
企んだ張本人にまでとうとう犯されてしまったお嬢様は目に涙を浮かべられ、そのあまりに
哀しい仕儀に耐え切れず最後の力を振り絞ってサンドリエを突き放そうとなさいました。
 そうしてお嬢様にもがかれサンドリエがよろめきそうになった時、背後から現れた一組の
手がお嬢様の小さな乳房を思い切り握り潰し、お尻にも熱い肉塊が押し付けられました。

「ヒッ?! ヒインッ!」
「そんなに暴れたら危ないよ、ペリーヌちゃん
どうだいサンドリエ、俺の言ったとおり、この娘の膣(なか)は最高だろ?」
「あ、ああ、そうだな、モーリス
ペニスの先が何かにすっぽり包み込まれて、まるで子宮に嵌まり込んででもいるみたいだ
まさかグランスが子宮口を通過出来るはずは無いから、これは恐らくヴァギナ内に突出する
子宮頚部の奥の隙間に嵌まってるのだろうな
それにその前も何段にも締め付けてきて、こんなヴァギナは初めてだ
こんな具合の良い物を独り占めして、もう何度も使ってきたお前が羨ましいぞ」
「へへへ、そういうなよサンドリエ、昔みたいにまた一緒に愉しもうぜ
先ずはお前が前、そして俺が…」
「ああ、そうしよう、昔通り、交代でな」

「おじさん?! どうしておじさんまでここに!?」
「どうしても何も、君がどんな娘なのかを教えてくれたのがモーリスだからですよ
ボルネの本の事や君がこいつの所でどんな『手伝い』をしているか聞いて、そんな娘ならば
今日の授業にも利用出来ると思い付いたのです」
「ひ、ひどいわ! あの事は誰にも話さないって、おじさん約束したのに!」
「そうだったねペリーヌちゃん、でも俺とサンドリエは、さっきの三人みたいに若い時から
一緒に悪さをしてきた仲間、だから特別なのさ
それよりペリーヌちゃんこそひどいじゃないか、てっきり俺はボルネが話を盛ってるんだと
ばかり思ってたが、ここも使えるならそうと教えておいて欲しかったよ」
 そう言うとモーリスはすでに前を塞がれているお嬢様の股間にさらに陰茎を割り込ませて
いきました。

「アアッ、そこはもうイヤッ! お願い許してッ、そこは初めてだったんです!」
「初めて? それにしちゃあ、ずいぶんと気持ち良さそうに善がり狂ってたじゃないか
ボルネの書いたとおり、ペリーヌちゃんは本当は尻でも悦ぶ淫乱娘なんだろ?」
「そんなのウソよッ!
あんなの痛いし苦しいだけだわッ、見てもいないのにそんなヒドイこと言わないで!」
「見ていない? それは違いますよ
ほら、そこの壁に鏡があるでしょう?
あれはこちらから見るとただの鏡ですが、控室からはこちらが透けて見えるのですよ
あれを使うと診察前の患者の様子が窺えて、とても便利なのです」
「そんなッ! 見られてたの!?」
「そう、これからヴァギナの奥底まで見られてしまうとも知らず、君がローブの丈の短さを
気にしていた様子から、三人の若者達に輪姦されていく様子も、すべて観察してましたよ
立て続けにヴァギナを9回、それからヴァギナとアヌス、オラルを同時に6回、でしたね
あんなに何度も射精出来るなんて、彼等の若さがつくづく羨ましかったですよ」

「見てたのに、何でッ?!」
 一人の少女が欲望に血迷い理性を失った若者達に三つの穴を同時に犯されている、そんな
淫惨な光景を目にして良識あるべき大人が何故止めてくれなかったのか、純真なお嬢様には
到底理解出来ませんでした。
ですが、大人だからとて良識があるとは限らない事は、これまでのご体験が証明しており、
サンドリエやモーリスがそうした大人達の一員なのは明らかでした。

「おや? 止めて欲しかったのですか?
普通の娘ならばあんな陵辱にはとても耐え切れないでしょうが、あなたは若者達の有り余る
性欲を受け留められたばかりか、自分も快感を感じ、より激しく犯されることを求めている
ようにしか見えませんでしたよ
あなたは真性のニンフォマニアなのですよ」
「なあ、話はそれぐらいにして、そろそろ始めようや
こっちも挿入れ易いように、ペリーヌちゃんをちょっと持ち上げてくれよ」
「そうですね、では最後にもう一言…
あなたにはこれからも、私の手伝いをお願いします
先ずはあの三人のご父君方を、それから他の理事の先生方も、その体でもてなすのです
大事なお客様方に喜んで貰えるよう、あなたが初めてだと言う部分もちゃんと使えるように
なるよう私達がきちんと仕込んで差し上げましょう
今日だけでなく、これからもずっとね…
ふっふっふ、これはあなたの為の特別授業なのですから、感謝するのですよ
では…」

「ンウウウウ…
ングッ、ンアアアア! イ、イヤアアアア…」
 サンドリエがお嬢様のお身体を持ち上げていくと、花芯を貫いていた肉棒が引き出されて
いきましたが、すべてが抜かれる寸前に動きが止められて、その間にモーリスの肉棒の先が
お尻の窪みに押し付けられ、再びお嬢様のお身体が下ろされていきました。
お尻を持たれ、胸を押え付けられて、二人の男達の間でサンドイッチになられたお嬢様には
為す術が無く、前後から穿たれていきます。

 欲望の趣くまま、出来立てのボローニャソーセージのような桃色がかった青年達の肉棒に
よって穴という穴を貫かれていかれたお嬢様のお姿は目を覆わんばかりでございましたが、
分別の有るべき初老の男達が欲得ずくで華奢な真白い下腹部に長年使い込んで赤黒くなった
肉棒を深々と突き刺していく光景はさらに罪深く無惨でした。
 ですが、お嬢様を牲とする淫逆な闇の謝肉祭の第二部はまだ始まったばかり、決して自ら
望まれてはいらっしゃらないのに殿方を次々と陵辱に誘ってしまう、そんな哀しき星の下に
お生まれになられたお嬢様を導くその妖星は、その日、漆黒よりもなお昏く輝いていたので
ございます。

「アグッ、イヤッ、イヤアッ、入れなッ、ンイイイイ…」
 青年達によって開通させられたばかりのお嬢様の恥門は陰門から溢れて伝ってくる淫液で
ぬめって亀頭の侵入を拒めず、間も無く陰門と共に怒張したもので埋め尽くされました。
そして、お尻を支えていた手が外され、男達の腰の間でお嬢様のお身体が宙吊りになると、
その重みを受けて2本の肉棒がさらに深く突き刺さります。
まるで百舌の早贄のように男のトゲに串刺しにされてお嬢様が苦悶される中、男達は次々と
腰を振り上げ、前後からいよいよ深くお嬢様の体内を抉っていきました。
「アウウッ、ヒイイッ、ンアアッ、ヤメ、ヒギイッ、もう入らなヒイ…」
「なんだ、こっちもちゃんと、使えるじゃないか
尻穴は初めてだなんて、やっぱり嘘だったんだね、いけない子だ、ペリーヌちゃんは」
「ンウッ、ちがうンッ、です、ほんッ、ハウッ、はじめッ、ンアッ、なんッ、ヒギイィ…」

「おおう、サンドリエ、お前が動くのが、中で伝わってくるぜ
二人して、こうするのも、ずいぶんと、久しぶりだな」
「そうだな、お前が少女趣味に、走りだして、以来か」
「そう言って、くれるなよ、俺は本当に、少女を愛して、いるんだ
蛹から羽化したての、蝶のような、瑞々しい肢体、小さな胸に宿るは、まだ無垢なままの魂
そんな少女の煌めく一瞬を、標本箱に詰めて、永遠に保存して、おきたいくらいに
だというのに俺は、そんな聖なる少女を、どうしようもなく穢して、しまいたくもなるんだ
何れ誰かに、その輝きを、奪われてしまうのなら、いっそ自分の手で、とな
 そんな俺の手の中に、飛び込んで来たのが、ペリーヌちゃんだったのさ
ペリーヌちゃんは、処女でこそ無かったが、穢して穢しても、心根は清いままだった
しかもその体は、サキュバスのように、犯せば犯すほど、俺を魅了するんだ
そこで思ったのさ、ペリーヌちゃんを使えば、きっとお前にも、俺の少女愛が、理解出来る
だろうって、また昔みたいに、お前と楽しめるってな
お前は食わず嫌いしてたが、未熟な少女の体も、良いものだって、これで分かっただろ?」

「それで私にこの娘を?…くくく、お前ってやっぱり、悪い奴だなぁ
ああ、認めよう、確かに少女も、良いものだ」
「おお、嬉しいねぇ、それでこそペリーヌちゃんを、紹介した甲斐があったよ
思ったとおり、この娘、こっちの味も、上々だぜ」
「そうか、それは楽しみだ、私も後で験すから、しっかり仕込んで、おいてくれ
それにしても、これほどの女性器を、持っていたとは、何という娘だ
突けば突くほど、性欲がたぎって、若い頃に戻ったようだ
こうなったら、あの三人には、負けられんな、うおおおお!」
「おお、いいねぇ、それじゃあ俺も、フンッ、フンッ、フンッ…」
「ウッ、ウアッ、ハウッ、ハウウッ、ヒッ、ヒイイッ、ヤメテッ、あそこがッ、ヒギイッ、
お尻がァ、ヒインッ、壊れちゃウウッ、ンンッ、アッ、アッ、アッ、ンアアアア…」

 男達は腰の動きのピッチをさらに上げ、前からは矢継ぎ早に子宮を叩き、後ろからは今日
開けられたばかりで未だこのような行為に慣れていない恥門を内外に捲り上げ、がくがくと
揺さ振られる体を押さえようと鷲掴んだ乳房に指先を喰い込ませて、先の青年達に勝るとも
劣らない激しさでお嬢様の幼い肉体を貪っていきました。

 それからそう時を置かずお嬢様の体内で二人の欲望が解き放たれましたが、男達の肉棒は
衰えるどころかますます勢い盛んで、この体位を殊の外気に入ったのか、今度はモーリスが
前に立ち、サンドリエが後ろから乳房を掴んで、間に挟んだお嬢様を再び立位で犯します。
「お? おおお?! こ、これは!」
「どうだサンドリエ、まだ一点のくすみも無い、ペリーヌちゃんの尻穴の、ご感想は?
恥ずかしそうに、一生懸命窄まろうとして、最高だろ?
娘盛りを過ぎた年増女じゃ、不敵不敵しくて、こうはいかんからな」
「むうう、ヴァギナばかりか、アヌスまでも、これほど具合が良いとは!
この娘をヒヒ爺どもに、味わわせるのが、惜しくなるな」
「だったらその前に、俺達でたっぷり、楽しもうぜ」
「お、おう」
「アグッ、ウアアッ、アッ、アウッ、もう、ンッ、ゆるし、ハウッ、ウウン、ンアア…」

 そうして再開された一人の少女が二人の殿方に挟まれて踊る淫らなマズルカもやがて終り
ましたが、サンドリエとモーリスは肉棒を抜いた後もお嬢様を休ませてはくれず、床の上で
幼い肢体を二組の手、二つの口、二本の肉棒を使って執拗に嬲り続けていき、お嬢様を性の
快楽地獄へ突き落としていきました。
「アアッ、お胸舐めないでェ…ヒンッ、噛んじゃヤァ…ヤンッ、お尻に触っちゃダメェッ…
キャアッ、そんなのくっ付けないでェ…アウウッ、指がッ…ヒイイイッ、そこはイヤアア…
ハウッ、クウンッ、ンッ、ンッ、ウンッ、ンアッ、ウアアア…」
「どうだいペリーヌちゃん、さっきの三人と俺達と、どっちが気持ち良い?」
「アッ、アッ、アンッ、アアン、フア、ハアア…」

「へっへっへ、もうすっかり出来上がっちまって、答えるどころじゃないか
なあサンドリエ、こうしてると昔を思い出すよなぁ
俺が初心な小間使いやお上りの田舎娘をたらし込んで部屋に連れ込んだ所に、示し合わせた
お前が加わって、驚いて嫌がる娘を二人して散々玩んだっけ…
それも、後で誰にも打ち明けられないような、飛びっ切りな遣り方でな
あの頃の俺達は若くて、どんな体位でも、いくらでも犯り続けられたよなぁ…
そうだ、良い事を思い付いたぜ!
ペリーヌちゃんなら身が軽いから、今の俺達でもあの頃みたいに出来るんじゃないか?」
「ほお、それは良いな!
だったら、そうだな…ああアレだ、アレが良い、ほら、お前の得意だったアレだよ」
「あれって、アレの事か? よおし、久々に頑張ってみるか!」
「ただし、挿入れるのは…分かってるよな?」
「そうだな、今日はそうしておくよ」

 モーリスは、幾度となく絶頂を強制されて床に横たわるお嬢様のお身体を屈曲させお尻に
肉棒を挿入すると両脚を抱えて立ち上がり、逆さ吊りにしたお嬢様を振り回し始めました。
お嬢様のお身体はぐるぐる回転させられ、垂れ落ちる髪が床を掠めて恐怖心を煽られます。
「はぁ、はぁ、はぁ…ンッ、ンンン…アウッ、やぁ、もうお尻はい、ンアアア…
アアッ、何、何をするの?! キャア!」
「ほーら、回転ブランコだよ、女の子はブランコが大好きだろ?」
「イヤアッ、やめてェッ、頭がぶつかっちゃうッ!」
「そうかそうか、恐がらせてごめんよペリーヌちゃん
じゃあ、今度は普通のブランコにしてあげるから、ペリーヌちゃんも頭が当たらないように
腕を踏ん張って体を支えるんだ」

 モーリスが左右の腕に太ももを抱え直しお嬢様のお身体をさらに持ち上げると、もう振り
回されたくなかったお嬢様は言われるまま床に手をつかれました。
「これで思いっきりペリーヌちゃんとブランコが漕げるぜ
そぉれ、いぃち、にぃい、いぃち、にぃい…」
「アグッ、ンアア、ハウッ、ウアア…」
「へへへへ、良い眺めだ、尻穴を漕ぐたび、俺の一物に圧されて、ペリーヌちゃんの大事な
所から、俺達の種汁が溢れてくるのが、よぉく見えるぜ
俺達、ペリーヌちゃんのマンコに、こんなに搾り取られてたんだなぁ」
「だめェッ、そんなの見ちゃヤアッ!
ウッ、ケホッ、ケホケホ…」
 最前から逆さ吊りにされ頭に血が下がってしまっていたお嬢様は、恥ずかしさに叫ばれた
刹那、咳き込んでしまわれました。そこへ、サンドリエが屹立した股間のものを突き出して
にじり寄ってきました。

「おやおや、どうしました? 咽喉の調子が悪いのですか?
だったら私が診てあげよう、この特製の探り棒でね…さあ、口を大きく開けなさい」
「アアッ、イヤッ」
 お嬢様がお口を引き結ばれて目の前に迫るサンドリエの陰茎を拒絶されると、モーリスが
お嬢様のお身体を左右に振るそぶりを見せました。
「だめだよペリーヌちゃん、お医者様の言う事はちゃんと聞かなくちゃ
それとも、また回転ブランコをして欲しいのかい?」
「ううう…オブッ、ムブウウ…」
「よしよし、良い子だ、ご褒美に、咽喉の奥までしっかり診てあげましょう
後で薬を出してあげるから、残さず呑み込むのですよ」
「懐かしいな、連れ込んだ娘を、二人でこうすると、随分大人しく、なったよなぁ」
「そうだったな、二人して、娘が気絶するまで犯りまくったっけ…
さあモーリス、どんどんいくぞ、次は俺の番だからな!」
「オブッ、ムブウッ、ブプッ、ムフン、オブッ、ムブウウ…」

 それは何と無慙な光景だった事でしょう、女の子が逆立ちをするだけでも在り得ないほど
はしたないというのに、お嬢様はそのお姿でお尻とお口を犯されたのです。
 それが終わると、今度はサンドリエが放蕩を重ねた若者時代に好んでいた体位をお嬢様に
とらせます。それは四つん這いのお嬢様を前後から貫くという、この日ここで行われてきた
淫事を考えればさして代り映えのしない行為から始まりましたが、それだけでは終わらず、
サンドリエが太ももをモーリスが脇の下から胸を掴んで立ち上がり、お嬢様のお口とお尻を
空中で犯しました。
 二人はこれを恐怖の空中ブランコだと言って興じていましたが、それもある意味的を射て
いました。何故なら自ら身を支える術のまったく無いお嬢様は、陵辱を受ける以外にも何時
床に滑り落とされてしまうかもしれない恐怖にも耐えねばならなかったからです。

 年甲斐もなく力任せにサーカスの曲芸のような体位で陵辱を繰り返した二人は、さすがに
疲れを覚え、お嬢様を床に下ろしました。
ですが、お嬢様の肉体の新たな楽しみ方を知ったモーリスにはまだ飽き足らぬ思いが強く、
うつ伏せに横たわるお嬢様の腰を持ち上げ、後ろから陰門と恥門を交互に貫いてその違いを
堪能し、一休みしたサンドリエもまたそれに倣いました。
 そうされていると、お尻を犯される恥辱感が花芯を抽挿されて生じる快楽によって上書き
され、何時しかお嬢様にはどちらがどちらともつかなくなっていきましたが、二人が小さな
乳房を握り潰しながら最後にどちらへ精を放ったかは言うまでもないでしょう。

 このようにしてお嬢様はサンドリエとモーリスによって三つの窪みの内の二つを代る代る
貫かれて、青年達に続き女の持つ穴のすべてを犯されてしまわれたのでございます。
 或いは後の方が、三人がかりで犯されるよりまだしも増しと思われるかもしれませんが、
実際にはご覧のとおり二人での方が取れる体位に自由が利き、動きにも制限がかからない分
より激しい抽挿を招き、しかも常にどちらかの肉棒が挿入されて恥門を開発されていったの
ですから、どちらがお嬢様にとってお辛かったかなどと聞けるべくもございませんでした。

 二人の貪婪な情欲からやっと解放され床にぐったり突っ伏されたお嬢様には、お口の中に
残る苦味や淫臭も、股間の2つの開口部から溢れ出てくる精液の感触も、すべてが他人事の
ようにしか感じられませんでした。
 そんな感情を失ったようなお嬢様のお心に、不図ある少女の事が思い浮かんできました。

『…わたし、あの子と同じになっちゃったんだわ…』
 あの子とは、二ヶ月ほど前のイタリアでの道中、あのプラガ男爵の館を出た後の宿場町で
聞いた、ならず者達に輪姦されて、すべての処女を奪われてしまったリリアーナという名の
少女の事でした。
 事件のあらましを耳にされたお嬢様は、ご自身も男爵にその身を玩ばれた直後のこととて
同情を禁じ得ませんでしたが、その時はまだその少女の受けた仕打ちがどれほど酷いもので
あったか分かってはいらっしゃいませんでした。
ですが今日、実際にご自分も5人の男達に輪姦され乱交されて、あまつさえ最後に残された
お尻の処女までも散らされたお嬢様は、リリアーナの受けたであろう苦痛や恥辱、哀しみが
想像を絶したものであった事を初めて実感出来たのでございます。
その憐れな少女の事を思い出すと、ご自分が今日男達から受けた仕打ちの数々がその感触も
在り在りと甦ってきて、お嬢様の目から涙が零れました。

 けれどもサンドリエは、身も心も深く傷付けたお嬢様へ向けて、さらに無情な言葉を投げ付けたのでございます。
「ふぅ…大人をこんなに満足させられるなんて、君は本当にいけない娘ですね
アヌスももうすっかり使いこなせるようになって、これなら君に近くもてなして頂く予定の
お客様方のどんな無茶な要求にも応えられるでしょう
先ずは院長先生の御三方、そして理事の十二名、それから…
ふふふ、私の役に立って貰えて嬉しいですよ
その代わり、約束どおり、明日あなたの所へ往診してあげますからね」
「な、なあ、サンドリエ…」
「おお、そうでしたね
 往診の後、モーリスが私の所に薬を届けてくれるそうなので、ここに取りに来てください
裏口の鍵を開けておきますから、脇の階段を下りてこの部屋にこっそりとね…
君だって、自分のしている事を誰にも知られたくはないでしょう?
そうしたら、今日の続きをして、私達であなたのアヌスをもっと使えるようにしてあげます
ああ、それから、出来れば来る前に、浣腸を済ませてきてくれると助かります
グリセリンが無くとも石鹸液で代用出来ますし、注入器具はそうですね…ああ、あれなら…
シモン爺さんの抱え込んでいるガラクタの山の中にはきっと玩具の水鉄砲なんかもあるはず
ですから、それを使うと良いでしょう
使い方は分かりますね?」

「…はい…」
「宜しい、それでは今日はもう帰っても結構です
ああでもその前に、診察台や床をきれいにしていってくださいね
皆君が汚したのですから
流し場の物は自由に使って構いません
では、御機嫌よう」
「へっへっへ、じゃあペリーヌちゃん、また明日、楽しみにしてるよ」

 二人が去った後、虚ろな目をされのろのろと起き上がったお嬢様でしたが、身動きされる
たび股間の前後から男達の淫液が漏れ出てきて、服を着ける訳にもいかず、裸のまま決して
ご自分の所為では無い診察台や床の汚れを雑巾で拭き取っていかれました。
 やっとそれが終わってもまだご自身を清めねばなりませんでした。幸いその日オスマンの
水道は断水すること無く流れ続けて、お嬢様は蛇口の下に跪いて男達の残り香が染み付いた
髪を洗われ、お口を雪がれ、肌を拭われると、股を開いて何時も通り前を清められます。
それは、お嬢様のような年端も行かぬ少女が覚えてしまうには早過ぎる、哀しき女の嗜みで
ございました。

 ですが、最後に残ったそこを清めるのはその日が初めてのこと、蛇口に背を向けてお尻を
突き上げ、穴を拡げてはみたものの、指を挿し入れるのはどうしても躊躇われました。
それでも殿方の精を中に残したままにするのが耐えられなかったお嬢様は呻かれながら指を
沈めていかれました。
後はお尻の溝に流れる水を中へ導き入れ、指で掻き出すだけでしたが、前を清めるのと同じ
その動作がアンジョルラスにされた事を思い出させます。
大量の淫液に穢されたそこを清める為に何度もそれを繰り返さねばならなかったお嬢様は、
その惨めさに嗚咽が止まりませんでした。

「お母さんのところに…帰らなくちゃ…」
 悪夢のような出来事が繰り広げられた薄暗い地下室を後にされ、帰途につかれたお嬢様が
ズキズキ痛むお身体を引きずるようにしてお母様の待つシモン荘へ戻られたのは、まだ夏の
陽射しが明るい4時過ぎのことでした。
「やあ、お帰り、ペリーヌ、今日も侯爵夫人の手伝いをしてたのかい?」
「え、ええ…」
「おや? 少し顔色が悪いが、どうかしたのかい?」
「ううん、何でもないわ、きっと昼間暑かったせいだわ」
「そうだったな、あんたんとこのワン公もへばってたっけ
まあ、うちのチビ助たちと一緒にミルクを飲んだら元気になったがな
おっかさんの為にも、あんたもせいぜい元気でいなくちゃな」
「ありがとう、シモンおじいさん
それじゃわたし、お夕飯の仕度があるからこれで」
「ああ、そうしな」

 シモン荘に帰られたお嬢様は身内でもないご自分を心配してくれるシモン爺さんの言葉を
聞かれて、身なりは良くとも弱者に冷酷な金持ち達に比べ、貧しくとも親切な下町の人々の
心は何と温かいことかと、救われる思いがしました。
「しっかりするのよペリーヌ、お母さんに心配をかけないようにしなくちゃ」
 そう誓われたお嬢様は傷心を隠して精一杯の笑みを浮かべられ、今日がさも楽しい一日で
あったかのように話されながらお母様と夕食を摂られました。
 やがて、日もとっぷりと暮れ、休まれたお母様の安らかな寝息を聞かれながら、お嬢様は
ベッドの脇に寄せた椅子に座ってお母様のご回復を祈られます。

「明日になればお医者様にまた診てもらえる…そしたらお母さんはきっと良くなるわ
ううん、明日だけじゃない、病気が治るまで何度だって診てもらうの
その為ならわたし…
神様、わたしはどうなってもかまいません、何をされても我慢します
だからどうか、お母さんを、お救い、くだ、さい…」

 そうされている内に、いつの間にかお嬢様はお母様のベッドにもたれたまま眠りに落ちて
しまわれました。
絡み合う大人達の思惑や欲望の生贄とされて、わずか半日の間に5人もの男達によってまだ
たった13歳でしかない幼い肉体のすべてを陵辱し尽くされたお嬢様は疲れ切っていらした
のです。
 ですが、お嬢様が眠りの中で見た夢は、そんなお嬢様を慰めてくれるような希望に満ちた
ものでした。

『ああ、お母さん、ここがマロクールなのね!
 わたしたち、やっと辿り着けたのね!』
『ええ、そうよ、ペリーヌ、ここがマロクール、お父様のお生まれになった所よ』
『あ、あそこに誰か立ってる、あれは、あれはもしかして…
 お願いパリカール、もっと早くあそこへ!
 ああ、もうすぐお顔が見えるわ!
 おじい様ぁ、わたし、ペリーヌ、おじい様の孫の、ペリーヌよぉ!』
 けれども夢は突然断ち切られ、お嬢様がおじい様のお顔を見ることも、力強くも優しいに
違いないその腕に抱かれることも叶いませんでした。
 それは、お嬢様がお母様の許でみられた最後の幸せな夢でした。
そして、夢から醒められたお嬢様は希望から絶望へと突き落とされたのでございます。

「…リーヌ、ペリーヌ、お願い、起きて」
「う、ん…お母、さん?」
「良かった、起きたのねペリーヌ、あなたに大事なお話、ウッ、ゴホッ、ゴホッ…」
「お母さん! どうしたの? 苦しいの! い、今、水を持ってくるわ」
「待ちなさいペリーヌ!」
「で、でも…」
「いいからそこにいて
ペリーヌ、落ち着いて、聞いてね…
どうやらわたくしは、あなたとお別れしなければならなくなったようです」
「え? それって…」
「お母さんにも、神様に召される日が来たの」
「そんなのうそよッ、お母さんはきっと良くなるわ!」
「悲しいけれど、これはもう、決った事なの
ごめんなさい、あなたをおじい様の所へ、送り届けられなくて
だけど、あなたは独りでもマロクールへ行かなくては
それがお父様との約束ですから」
「いやよいやッ、お母さんと一緒じゃなきゃいやッ!」
「いいえ、あなた独りの方が、良いのかもしれない…
これから話す事はとても大事な事だから、よく聞いて…」

 死期を悟られたマリ様は苦しい息の中、これまでお嬢様には決して明かされてこなかった
ご自分達夫妻とおじい様との関係を語っていかれました。
始まりは、おじい様であるビルフラン様が些細な事で仲違いをした息子のエドモン様の頭を
冷やさせる為インドへ買付けに行かせた事でした。ところがエドモン様はインドでマリ様と
勝手に結婚してしまい、後継ぎの花嫁にと名家の令嬢を物色し新たな邸宅まで用意していた
おじい様は大変お怒りになってエドモン様を勘当してしまったのです。
それから数年後、たった一人の跡取り息子のことが諦め切れなかったおじい様は、マリ様と
縁を切れば許すと手紙を送ってきましたが、すでにお嬢様もお生まれになったエドモン様は
それを拒絶されたそうでございます。
 語られた中でとても衝撃的だったのは、おじい様がマリ様を自分から大切な息子を奪った
悪女として今も憎んでいるだろうという事、そして、お嬢様を自分の孫とは認めてくれない
かもしれないという事でした。

「でも、おじい様の血を分けた肉親はもう、あなただけなの
だから、いつかきっと、あなたのことを愛してくださるようになるわ
だけど、人に愛されたいなら、まず自分から愛さなくては
優しいあなたなら、きっとそう出来ます
知っていますよ、寂しがっていたマルセルを、あなたが慰めてあげたことを
お父様も、あなたと同じ時分のわたくしに、たくさん甘えてきたわ
男の人はみんな、寂しがり屋、なのね、ウッ、ンンンッ」
「お母さんッ、もう止めてッ、もうしゃべらないでッ!」
「あなたにも、いつかきっと、身も心も捧げたいと、思える愛人(ひと)が…
そして、自分の家族を持つの…
ああ、お母さんには、見えますよ、あなたが、幸せに、なった、姿が…
ペリーヌ、きっと、幸せに…
どうか、この子に、カーマの、お導、き、を……」
 それきり、マリ様の声は途切れ、お嬢様の髪をいとおしそうに撫でられていた手がはたと
落ちました。マリ様はお嬢様の幸せを祈られながら天に旅立たれたのでございます。

「お母さん?…ねぇ、お母、さん…お母さんッ、お願いッ、返事をしてッ!!
アアッ、い、いやああッ、死なないでお母さん! わたしを独りにしないでッ!!
ウッ、ウウウ、ウアアアアアア……」
 愛するお母様を亡くされた悲しみで身も世もなく涙するお嬢様に、駆けつけたシモン荘の
男達は声もかけられず、侯爵夫人も肩を抱いてあげる事しか出来ませんでした。
やがて夜が明け、男達の手配した葬送の馬車が着くと一晩中泣き明かされたお嬢様は墓地へ
向かわれました。
 その道すがら、葬列とすれ違った1台の箱馬車が停まり、すぐにまた来た道を引き返して
いきました。
それが、葬列中にお嬢様を見咎め、マリ様の死を知って、もはやお嬢様を自分の邪な計画に
利用出来ぬのを悟り、窓掛の陰で口惜しそうに舌打ちしたサンドリエの馬車であったことに
お嬢様は気付かれませんでしたが、また知りたくもなかったでしょう。

 暗雲が厚く垂れ込める中、埋葬が終わり、もうお母様のお姿を見ることは二度と叶わない
のだという抗い難い事実をひしひしと感じたお嬢様は寂寥感に押し潰され母の眠る土盛りの
上に泣き崩れられます。そんなお嬢様をサーカス公演の合間に駆けつけてくれたマルセルが
励まし、ご自分を姉と慕う少年の言葉にお嬢様はとても慰められました。
 名残惜しげなシモン荘の人々に別れを告げ、北へ向かう列車の出るパリ北駅まで来られた
お嬢様がそこで求められたのは意外にもパリの外れラ・シャペル駅までの切符でした。
最寄駅のピキニーまで買うお金が無く、そこからカレー街道を辿り、マロクールまで徒歩で
行かれるおつもりだったのです。
駅まで見送りについて来ていたマルセルは、それを知って汽車賃を都合して来ようかと申し
出ましたが、お嬢様は、歩くのはほんの4,5日のこと、これまでも長い旅路を乗り越えて
来たのだから大丈夫だと謝絶なさいました。
『たとえ独りになっても、おじい様に会いに行くのですよ』と言われた亡きお母様のお言葉
だけが、その時のお嬢様を支えていました。そしてそれをご自分の力で果たしたいとも…
その決意を感じ取ったマルセルは、お嬢様を明るく見送ってあげようと決めました。

 そして、いよいよ発車の声が響き、マルセルは客車に犬を乗せるところが見つからぬよう
駅員の目を盗んでバロンを車中のお嬢様へ手渡します。
「さ、行けバロン、お前は護衛隊長なんだから、ペリーヌをしっかり守るんだぞ」
「さようなら、マルセル、きっとまた会いましょうね」
「うん、いつかおいらも、マロクールへ行くから!
ペリーヌゥ、きっとおじいさんに、会うんだよぉー」
「ありがとぉー、マルセルゥ、さようならぁ、さようならぁ…」

 走り出した列車は瞬く間に速度を増して、北へ向かって疾走します。その車窓から見える
雨上がりの空は、イタリアの明るい太陽のようなマルセルが運んできたかのごとく、そして
お嬢様の希望を映すかのように、青く輝いていました。

 けれども、ラ・シャペル駅からマロクールまでは150キロあまり、その道のりは決して
短いものではなく、まして少女の独り旅ともなれば、途中でどのような災難が降り懸かって
来るやも知れず、寄る辺ない孤児となられたお嬢様に何事も起こらないことをただただ祈る
ばかりでございました。


****************************************



[mente]

作品の感想を投稿、閲覧する -> [reply]