〜 レディ・ペリーヌ物語 16 〜
【 旅の続き ― アルプスを越えて 前編A ― 】
ボルネは鎖に繋がれたままのペリーヌ様の前でしばし黙考すると再びアンドロメダの話を
続けていきました。
―――それまで男に触れられたことのなかったアンドロメダ姫の白き肌は奴隷どもによって
淫らに嬲られ続ける内に朱色に染め上げられていき、その無垢な女陰は生け贄の乙女として
純潔こそ守られたもののいっそ貫かれた方がましと思えるほどの辱めを受け続けてしとどに
濡れそぼり艶めく女の香りを放ち始めた。
清き肉体に強いられた官能に咽び泣くアンドロメダがついに気をやり果てるのを見た王は
退かせた奴隷どもの両手を侵すべからざる身に触れた罪で、陰茎を侵すべからざる身に向け
淫精を放った罪で、舌を侵すべからざる身を味わった罪で切り取らせ、最後には首を刎ねて
彼等の骸を海へ流させた。
それは、怪物を呼び寄せる餌としただけだったのか、それともその手でできなかったことを
為した奴隷達への嫉妬からだったのか、王自身にも定かではなかった。
アンドロメダを大岩に縛めて王達がその場を去ると、間も無く海の底から不気味な咆哮が
轟き、その姿を現した怪物にあわや姫が引き裂かれようとした時、見た者すべてを石化する
ゴルゴーン姉妹が一人メドゥーサの首を切り落とし、その傷口から生まれ出た天馬に跨って
セリーポス島へ帰ろうとしていた半神の英雄ペルセウスがこれを目にし、翔け付けた。
ペルセウスは戦利品として携えていたメドゥーサの首級をかざし怪物ケートスを石と化して
屠ると、地に降り立ちアンドロメダに近づいていった。―――
「さて、ペルセウスはこの後、どうしたと思う?」
「アンドロメダの鎖を切って、助けたのでしょ?」
「本当に、そうだったのかな?
どうやら君は、英雄とはいかなる者か、よく分かっていないようだ
ならば、これからわたしがそれを実際に教えてやろう」
―――英雄ペルセウスは裸身の美姫を前にして欲情し、打続いた戦いでたぎっていた股間を
さらに猛々しくさせ、アンドロメダをもまたその場で戦利品とすることにした。―――
そう物語を続けながらボルネは机から何か出来過ぎの胡瓜のような形をした真っ黒な物を
取り出してきてお嬢様に見せ付けました。それは長さ1尺太さ1寸8分ほどもあり、しかも
表面にイボが浮き出た淫具、ゴム製の擬似男根でした。
「ヒッ?! 何ッ? それ、何なのッ!」
「何って、見れば分かるだろう、リンガだよ、インド生まれの君なら知っているだろう?
今からこれを君のヨニに挿入れるのだ
英雄たる者のファルスはこんな物ではなかったはずだが、アンドロメダ姫よりも体の小さな
君との対比を考えれば、丁度良い構図になる
君にはちと大き過ぎるかもしれんが、これも自分を乙女だと謀った罰だ
せいぜい泣き叫んで、ペルセウスに処女穴を犯されるアンドロメダの苦痛の表情をわたしに
見せてくれ給え」
―――武具をすべてかなぐり捨てた英雄は天を衝く己が槍の穂先を乙女の濡れそぼる女陰に
あて―――
「ま、待ってッ、そんなの無理です、そんなの入りっこなッ」
―――貫いた。―――
「アグッ! ウアアァァァァ…」
お嬢様はご自分の愛の泉がメリメリ音を立てるようにこじ開けられていくのを感じます。
それは破瓜の時に感じた痛みに勝るとも劣らないものでございました。
ですが、お嬢様の受ける苦痛はまだ始まったばかりでした。
「ンイィィッ、痛いッ、痛いのッ、それ以上入れないッ、ヒギィイイッ、イタヒィイッ!」
入口の狭まった部分をようやく通過した亀頭部の張り出したエラと無数のイボが幾重にも
連なる肉襞をゴリゴリこそげていき、奥に突き当たってもなお押し込まれたリンガが膣道を
引き伸ばし子宮を拉がせました。
「やっと挿入ったな、さすがは英雄のファルス、アンドロメダの洞窟がはち切れそうだ
だが、まだ挿入れただけだ、英雄の本領はこれからだぞ」
未熟な女性器に特大の淫具をねじり込んだボルネは、お嬢様がそのあまりの圧迫感に悶え
苦しまれていらっしゃるのも顧みず抽挿を始めます。
リンガが膣内を抉るたびに、トンネルを掘り進める土竜が地面を盛り上げるように下腹部が
膨れ上がり、臓器が引き攣り膣そのものを持っていかれるような苦痛を与えてお嬢様を泣き
叫ばせました。
「ンアアァァ…アグッ!…ンンンン…キヒィッ!…もうやめてッ動かさなッ、ヒギィッ!…
お腹がッ痛いのッ、ハグウッ!…お腹がッお腹が破けちゃ、ンギィイイッ!…」
「フッフッフ、これくらいで女の洞窟は壊れたりせんよ
その証拠に、君のヨニは随分リンガに馴染んできたようだ
これなら、ペルセウスがアンドロメダへたぎる欲望を思うままぶつけたようにもっと激しく
しても大丈夫だな」
「そんッ、ングッ、ヤメッ、ハウッ、ンッ、ヒィイッ、アッ、アウッ、ウアアァァ……」
何時果てると知れなかった淫らな責め苦もとうとう終り、しばらくの間アトリエの中には
リンガを深々と刺されたまま吊られた両腕にぐったりお身体を預けられるペリーヌ様の浅い
息遣いに混じる嗚咽と、そんなお嬢様のお姿を写し描くコンテの紙上を走る微かな音だけが
聞こえ、お嬢様のお上げになられていた悲鳴に驚き鳴りをひそめていた外の小鳥達の囀りも
戻ってきました。
けれども、それもまたすぐに途絶えることになります。
膣襞をこそげながらリンガが抜かれていって、緊張を見せたお嬢様は、それが抜け切ると
がくりとお身体を落とされました。ですが次の瞬間、そのお身体が再び硬直します。
リンガに穿たれた膣口が閉じる間も無く二本の指が侵入して来たのです。
「ヒグッ!? ああッ、なんでッ? なんでまた指をッ?」
「ああ、これかい? これは、女体の神秘を少しばかり確かめているだけさ
なにしろ、こんな小さな洞窟にあんな大きな物が挿入ってしまうのだからな
それに、初めは痛がっていたのに、最後の方では快感を感じていただろう?
さすが、多淫なカシオペアの血を継ぐアンドロメダ、と言うべきか…
それとも、君が特別に淫乱なのかもしれないな」
「そ、そんなことなッ、ヤッ、ヤメテッ、ンアアア、ダメッ、ダメェェ…」
「おお、何と! あの太いリンガを受け留めたばかりだというのに、もうわたしの指を痛い
ほど締め付けてくるとは、何と具合の良いプッシーなんだ
これは是非ともわたしがペルセウスとなって君を、いやアンドロメダを実際に感じてみなく
てはならんな」
「ヒッ! な、何をするの?!」
「何をって、もう乙女では無い君のよく知っていることだよ
そろそろアントレを頂く頃合いだ…もっとも、実際に食するのは君だがね
さあ、わたしの熱い肉を君のプッシーで存分に味わってくれ給え」
「そんなッ! わたしは絵のモデルをするだけなんでしょ?!」
「ああ、その通りだとも
いやしくも画家たるもの、描く対象の本質をとことん探求せねばならん
例えばこの場面では、アンドロメダを犯したペルセウスは彼女の肉体をどう感じたのか、
同時に、ペルセウスに犯されたアンドロメダはそれをどう思ったのか、それらすべてを知る
ことで初めて絵は完成できるのだ
そして、それを手伝うのがモデルの役割というものなのだ
なに、先ほども言ったように、理想と異なるところはわたしが補うから安心したまえ
さて、では、モデルをすると言った君の約束を実行してもらおうか」
股間を探っていたボルネの陰茎が膣口を割り始めました。
「イヤッ、入っちゃう!
わたしそんな約束なんかしてないッ、お願い、それだけは許してッ!」
「これもすべて芸術の為、だッ!
悲痛な叫びは無情にも断ち切られ、ペリーヌ様の膣は一瞬の内に彼の陰茎で刺し貫かれて
しまいました。
「イヤアァァァァッ!
ヒ、ヒドイッ! ほんとにするなんて、お願い抜いてッ、抜いてェェ」
「フフフ、作り物なんかと違って、熱い生のペニスを挿入れられると、本当に犯されている
気分になれるだろう?」
―――迫り来る海の怪物への恐怖から気を失ったまま、肉体を襲った衝撃に息を吹き返した
アンドロメダは、腹部に感じる恐ろしいほどの違和感に苦しみ泣き叫んだが、美姫の貫いた
部分から鮮血が滴るのを見たペルセウスは、勝ち取った戦利品が未だ手付かずの物であった
ことを喜び、その腹に所有の証を刻んでいった。―――
「さあ、これで英雄とはどういうものか、少しは理解できたかな?
英雄とは決して救世主などではなく、思うままに奪う者なのだよ」
「アアッ、ダ、ダメッ、動かないでッ!」
「そんなことを言っても、こうしないと、ペルセウスの喜びが分からないだろう?
オオッ! それにしても君のここは、なんて具合が良いんだ
これまで君を抱いた、男たちからもさぞかし、褒められただろうね?」
「ンッ、いやらしいこと、ンンッ、言わないで、ンッ、わたし、ウッ、そんな女の子じゃ、
ウンッ、こんなこと、アウッ、やめて、ンクッ、抜いて、ウンッ、ください、ンアアッ」
「そうか? なら、そうしようか」
「ンン、フアアァァ…」
『よかった…今日はあれを…お腹の中に出されなくて済むんだわ…』
下腹部からボルネの陰茎がズルリと抜かれていくのを感じて、何とか射精されるのだけは
免れられたと思われたお嬢様のそんな安堵も、けれど長くは続きませんでした。
彼は前に置かれていた姿見を傾けるとお嬢様の後ろに回り、乳房を掴みました。
「アアッ、イヤッ、なんでッ、もう止めたんじゃなかったの?!」
「いや、ペルセウスばかりでは片落ちだからね
今度はアンドロメダがどう感じたか、君の体に聞こうと思うんだ」
そう言うとボルネはお嬢様を後から貫いていきました。
「ああッ、またッ! もうイヤァァッ」
「君も見てみ給え、こうするとアンドロメダの女陰がペルセウスの槍を銜えこんでいるのが
君にもよく見えるだろう?」
ペリーヌ様が前に据えられた姿見に目をやると、そこにはご自分の秘部がボルネによって
深々と刺し貫かれているところがくっきり映っていました。
「え…ああイヤッ、見ないでェェッ!!」
「さあ答え給え、英雄に純潔を奪われたアンドロメダはどう思ったのだ」
「イヤッ、さっきより、早くゥ、アウッ、ンッ、ンッ、ンアッ、アッ、アッ、アッ………」
ボルネが腰の動きをどんどん早めていくにつれてお嬢様の爪先が宙に浮き始め、ご自身の
お身体の重みが子宮を突いてくる穂先の一点に集まっていきました。するとやがてお嬢様の
肉体は反応し始め、しかもそれは先ほどよりずっと大きなものでした。
プラガ男爵によって性の快楽を教え込まれてしまわれていたペリーヌ様の肉体は、お心では
それをどんなに拒絶されようと、騙まし討ちのように犯されている今の状況の中でも勝手に
官能を呼び起こしてしまうのです。
「オオッ、アンドロメダが膣をこんなにうねらせて、喜悦の表情を浮かべている!
そうかッ、そうだったのだなッ!」
股間にこれまで感じたことの無いほどの快楽を受けたボルネは、自分で犯しておきながら
逆にあっという間に追い詰められ、お嬢様の子宮めがけて精を解き放ちました。
「アアッ!? イヤアアァァァ!!」
「ハア、ハア、ハア……フフフフフ…ハハハハハ、すばらしい!
見えた、見えたぞ、ペルセウスの歓喜が、アンドロメダの解放が
さあ、君も聞き給え、二人の愛の物語を!」
―――下腹部を襲う苦痛に苛まれるアンドロメダには自分が何をされているのかも目の前の
青年が何故そのようなことをするのかも分からなかった…それは、生れ落ちた瞬間からその
出自に疑いを持った父王ケーペウスによって、王妃カシオペアのような多淫の性が出ぬよう
一切の穢れから遠ざけられていたからだ。
幸いアンドロメダの心にそのような悪癖は表れなかったが、皮肉にも父王自身が邪な欲望を
抱くほど美しものに育っていた、まだ蕾のその肉体は、接した女性を陥落せずにはおかない
父神ゼウスのものにも劣らぬペルセウスの強槍に衝かれる内、ついに花開き、蜜なる官能を
還し始めた。
情けを与えたアンドロメダが王女だと知ったペルセウスは喜び、これを妻とすることに決め
ると、ケーペウスにそのことを知らせる為、その居城へ向かった。―――
「どうだね、良い話だろう?」
「わたし…分かりません…
それよりお願い、もう抜いて…わたしを…帰してください」
「ん? ああ、つい興奮してしまった」
ボルネはお嬢様の中から自分のそれを抜くと、足首の皮バンドを外しました。
これでやっとお母様の許へ帰れる、お嬢様がそうお思いになられた矢先、外したばかりの
バンドは膝に付け替えられ、再び鎖が引き絞られます。
「イッ、イヤアァァァ!」
ペリーヌ様は悲鳴を上げられました。
土人に狩られた獲物のように宙にぶら下げられ、股間を左右に大きく開かせられたお嬢様の
秘部は殿方のそれの形に拡がったまま、奥から漏れ出る淫液があらぬ部分にまで回り、滴り
落ちて床板を汚している、まさに凌辱の跡そのままのお姿を晒させられたのですから。
ボルネはスケッチ帳を手に、そんなお嬢様を描き写していきます。
耐え切れぬ羞恥にお嬢様は身悶えされますが、それは鎖を空しく軋ませるだけで、かえって
彼の絵心を刺激させ、さらに淫らな嗜虐心をも呼び起こさせてしまいます。
「さあて、デッサンはもうこれで十分だろう…後は…」
ボルネはスケッチ帳を机に置くと、むせび泣くお嬢様の膝の間に割って入り、秘部を再び
貫きました。
「ヒグッ!? どうして?
今、終わったって、終わったって言ったのに」
「ああ、たしかにデッサンは一応済んだのだがね
後になって新たな構図を描かなければならなくなる時があるかもしれない
その為には君を、いや、アンドロメダのことをもっと知っておく必要があるのだよ
そう、こんなふうにね」
―――ペルセウスは、縛めの鎖を断ち切ったアンドロメダをペガススの背に抱え上げて再び
まぐわい、そのまま父王ケーペウスの居城へと飛んでいった。もはや亡き者と思われていた
姫が、しかも偉丈夫によって刺し貫かれながら城門に降り立つのを見た諸人は皆驚き呆れ、
特にアンドロメダへ邪まなる想いを抱いていた父ケーペウスは気色ばんだが、相手が半神の
英雄だと知り二人の婚姻を取り決めた。
英雄故その傍若無人のすべてを許されたペルセウスは婚礼の儀を待たずしてアンドロメダを
同衾させ、早々にその胎に世継ぎを孕まさんと父神譲りの絶倫さで昼も夜もまぐわい続け、
アンドロメダも悦びを以ってそれを受け入れた。―――
ボルネがリズミカルに腰を振り始めると、宙にぶら下げられたペリーヌ様のお身体はその
勢いで一旦突き上げられては自らの重みで振り子のように孤を描き落ちてきて、彼のものを
花芯で繰り返し繰り返し受け止めさせられます。
「どうだね、お嬢さん、アンドロメダ、のように、空中に浮かんで、まぐわう気分は?
ハハハ、文字通り、天にも昇る、気持ちだろう?
前と違って、君を持ち上げる、必要もないから、これなら、いつまででも、出来そうだ」
「イヤッ、ヤメッ、アッ、ンッ、アアッ、アンッ……」
「それにしても、君は、いや、アンドロメダは、本当に、具合が、良いな
ペルセウスも、さぞかし、楽しんだ、だろうな」
「ンンッ、イヤッ、早く、しない、アッ、アッ、ンッ、アッ、ンンッ、アンッ……」
やがてボルネはペリーヌ様の中に再び射精しましたが、それだけでは飽き足らず、自分の
思い描くアンドロメダの痴態に擬えて、手枷足枷を外した後もお嬢様に様々なあられもない
ポーズを取らせては犯し、さらに四度、欲望を解き放ちました。
幼い肉体を玩ぶだけ玩んだ彼は、床の上で身体を丸められ秘部から精液が溢れ出るの感じて
すすり泣かれていらしたお嬢様にモデル料だと言って銀貨を握らせると、もはや用済みだと
言わんばかりに振り返りもせず机でコンテを走らせます。
『ああ、またわたしをモデルに、イヤラシイ絵を…』
過日の伊太利亜でロッコに強姦され、その最中を写真に撮って人目に晒されそうになった
時にはどうにか難を逃れられたお嬢様でしたが、今度ばかりはそう出来そうもありません。
不安に駆られ、傍に落ちていた衣装で胸元を隠されて、恐る恐るボルネに近付いたお嬢様は
彼の手元を見るなり息を呑まれます。
ボルネの絵の腕は確かなもので、そこにはお嬢様の局部が男性器によって犯されている様が
臨場感溢れるタッチで描かれていて、写真機の発明間も無くから好事家の手で撮られてきた
ポルノ写真など比べ物にならぬ卑猥さでございました。
そして、何よりもショックだったのは、絵の描かれたご自分のあどけなさの残るお顔に性の
快楽に善がる女の表情が浮かんでいたことでした。
『イヤラシイわッ、イヤラシイわッ、なんてイヤラシイ絵なのッ!
今度こそ本当に、わたしの恥ずかしいところを沢山の男の人に見られてしまうんだわ!』
そう思うと居た堪れなくなられたお嬢様は、目に涙をたたえられながらご自分の服を抱え
裸足のまま小走りに階段を下られ、誰も居ない階下で急いで身支度を整えられました。
男の家から出られたお嬢様は、プラガ男爵によって性感を開発されてしまっていたとはいえ
あんな酷い仕打ちを受けながら何度も絶頂を迎えてしまったご自分が情けなくも悲しくて、
持たれていた5フランの銀貨を投げ捨てようとなさいましたが、宿で臥せっていらっしゃる
お母様の事を思うとそれも出来ず、握り締めた手を胸に抱いて涙を流されました。
馬車に戻られたお嬢様は御者台で膝を抱いてうずくまれたまま何も命じませんでしたが、
利口なパリカールは元来た道を辿りマリ様の待つ宿へ向かって歩き出します。
傾きかけた陽の中、暫らくしてそれに気付かれたお嬢様はパリカールに話しかけました…
「ありがとう、パリカール、あなたはいつも優しいのね
ねぇ、パリカール、これをお母さん見せてあげれば、わたし独りでも写真屋さんができたん
だって、安心させてあげられるわよね…
ううん、分かってるわ、嘘はいけないって
でも、今度は嘘じゃなくって本当に…そう、きっと明日には…」
と、明日に希望を託されながら……
ですが、お嬢様を待ち構えていた今日という日は未だ終わっておらず、陽が落ちるにつれ
その淫惨な運命はいよいよ闇を濃くしていったのでございます。
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