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レディ・ペリーヌ物語 8



〜 レディ・ペリーヌ物語 8 〜


【 旅の続き ―イタリアでのいくつかの出来事 その3 外編― 】


 お嬢様はマルセルを見送った後、男の子には見せられない、女のしての嗜みを整えるため
湖の浅瀬に半ば沈みヒタヒタと湖水に洗われる大岩の端に座られました。
幸いにも今回は二度目の時のように道端で摘んだとても苦い西洋ノコギリソウを噛み砕いて
踏みにじられた花園をご自分でお手当てされる必要もありませんでしたし、先日の川原での
時のように白日の下というわけでもございませんでしたが、いくら夜半とはいっても月光が
煌々と射す中、このように遮ってくれる物一つとて無い開けた場所ですると思うと、やはり
落ち着かれませんでした。
 そうはいっても、時は待ってくれません。月はもうすぐ中天にさしかかろうとしていて、
やらねばならぬ事は早く済ませるべきだと、お嬢様はよくご存知でいらっしゃいました。

 お嬢様は湖水をすくっては乳房に残されたマルセルの唾液を流されます。そこには少年が
付けていった赤い吸い痕が月明かりの中でも点々と見てとれ、ここ数日はお母様の前で胸を
はだけることはできないでしょう。
「まだヒリヒリする…マルセルったら、あんなに強く吸うんだもの…」
 濡れた手で乳房をそっとさすっていると乳首がまた固くなってきて掌に当たるようになり
ます。そうしている内に次第に手には力が込められていき、いつの間にかお嬢様はご自分の
二つの膨らみを強く弄っていらっしゃいました。
「フ…ン…ウン…ンン…ア…アン…ハァ…ハアァ…アアン…ンンン……
ハッ、わたし、今、何をしていたの…」
 弄る手を止められても、手の平の中の乳首はまだ熱いままでいっそう痛痒くなっていき、
お嬢様にはそれが、もはやマルセルに玩ばれた所為などでは無く、ご自身のお身体の奥から
とても熱い何かが込み上がってきて乳房の先端で凝り固まっているように感じられました。

「は、早く、他のところもきれいにしなくちゃ…」
 ご自分がはしたない事をされていた気がして、そそくさと手を乳房から湖水に浸る腰へと
下ろされたお嬢様は、股を大きく開かれて少年の精液とご自分自身の愛蜜でぬめる内ももや
下腹部、そして、よりデリケートな部分へと手をすべらせていかれて秘裂の裂け目は言うに
及ばず、手を入れ替えてお尻の溝までも丹念に洗われました。

 けれど、もちろんそれで終わりではなく一番大事なところのお手入れがまだ残っており、
ペリーヌ様は裂唇ごと花びらを指で押し広げて膣口をお開きになろうとされました。
それは、初めての時こそお母様にお手当てをしていただいたものの、それからも打ち続いた
殿方からの陵辱を打ち明ける訳にもいかず、もう何度もご自分だけで処置されてきた事では
ございましたが、今夜の出来事を考えると、急にその仕草がとてもいやらしいものに思えて
きました。実際にはここまで露わにされなかったとはいえ、お嬢様はマルセルを迎え入れる
為に少年の目の前で今とあまり変わらぬお姿を取られたのです。ご自分で求められたのでは
ないとはいっても、お嬢様が少年を性愛へいざなったのは事実で、それを思うと顔から火が
出そうなほど恥ずかしくなられます。
そして膣口が開かれると、湖水が中に浸入してきて、まるでマルセルにご自分の女の部分を
奥底まで覗き込まれているような心地がしました。

 マルセルの残り香をかき出す為にペリーヌ様が指を膣内へ挿し入れられると、襞肉が締め
付けて、つい今し方の事とて、そこを少年のもので満たされた時の感触が鮮明に甦ってきて
お腹の奥が熱ってくるのを感じられたお嬢様は、秘部の清めもそこそこに水から上がられ、
大岩の上に横になられてそれが治まるのを待たれました。
ですが、お身体の熱りは治まるどころかますます募っていって、お嬢様の手はその最も熱い
部分へと伸ばされていきました。

『ここに、さっきまでマルセルのが…
 マルセル、まだ子どもなのに、まるで大人の男(ひと)みたいに、わたしの中であんなに
 激しく動いてた
 女の子のここって、そんなにも気持ち良いものなの?
 ううん、それだけじゃなかった…あの子のおチンチンにお腹の内側をこすられている内に
 わたしも…
 だけど、最後のあれは…あんなのイヤなはずなのに、わたし、どうしてあんなことを?
 わたし、どうなっちゃったの?
 ああ、あの子のが、まだお腹の奥に残ってる…』
 初めてご経験された目眩めく官能をうまく言い表すには、ペリーヌ様はまだ幼過ぎたので
しょう。ですが、ご自分から望まれたわけではなくとも殿方との交わりを重ねること四度を
数えて、ペリーヌ様の肉体は密やかに、けれども着実に、何も知らなかった少女から性愛に
悦びを感じる女のそれへと変わりつつあったのです。
そして、偶然にとはいえ、上り詰める寸前で何度もそれを妨げた少年の為した性愛の技巧に
よってじらしにじらされた肉体がお心ではあれほど嫌われていた射精を待ち焦がれ、それが
叶えられた時、子宮を殿方の精で満たされたいという女の本能がお嬢様にこの上ない歓喜を
感じさせたのでございます。

 手の平で押し包んだそこは本当に熱く、清めたばかりだというのに再び中から溢れてきた
愛蜜でヌルヌルしていて、お嬢様は知らず知らず滑るそこを撫でさすっていかれます。
それがとても気持ち良く感じられ、お嬢様の指はさらに強く押し付けられ、動きも速まって
割られた秘裂の中の花園を乱していきました。
 クチ…クチ…クチャ…ヌチ…ヌチ…ヌチュ…ニュチュ、ニュチュ、ニュチュン………
 ですが、それは埋め火に息を吹きかけるのにも似て、ペリーヌ様のお身体をより熱らせ、
お腹の奥を切なく疼かせました。そして、お嬢様の肉体はそれがどうすれば癒されるのかを
知っていました。
 ヌププププ……
「フッ…ウ、ウン…」
 清められる為以外でそんな事をされるのをお心のどこかでいけないと思いつつも、肉体の
求めるままにお嬢様は指を膣内へ沈めていかれます。
それは、少年との行為がこれまでのように殿方に無理矢理犯され奪われるのではなく、自ら
肉体を開かれてご自分の総てを許されたものであったことから、今宵ばかりはお嬢様の中で
性への嫌悪が薄らいでいた所為だったのかもしれません。

「フアアァァァ…」
 先程より強く締め付けてくる膣内を挿し入れた指でさすると、お嬢様の腰を悪寒にも似た
快感が走り抜けました。ですが、それを繰り返してもお腹の奥の切なさは治まらず、始めは
一本だけであった指はやがて二本になり動きも激しさを増して、お嬢様は少年のファルスに
そうされたように蜜湧く泉をかき乱していかれました。
そうしている内に固くなったままだった乳首がジンジンと疼きだし、小さな二つの膨らみを
殿方にされるようにきつく揉みしだかれます。
けれど、すぐにまた下腹部が切なくなってしまわれて片手が下へ伸ばされ、やがて、慰めて
いなかったもう片方の乳房が淋しくなれば手を入れ替え、ペリーヌ様は何時までも治まりの
つかない肉体の切なさに身悶えされながら両手を交互に上下させて、下腹部は言うに及ばず
お腹も胸も清められたばかりのお身体を再び甘酸っぱい愛蜜にまみれさせていかれました。

 それが自慰と呼ばれるものであることもまだお知りにならないペリーヌ様の秘部は淫らな
水音を奏で、お口から漏れる甘い吐息とともに湖水を高く低く渡っていきます。
 ニュプ…ニュブッ…ニュプ…ニュブッ…ジュブッ…ジュブッ…ジュブッ…ジュブッ…
「ンッ……ンアッ……ンッ……アンッ……ンンッ……ウンッ……ウフッ……フアア……」
『イヤッ…いけないわ…こんな…コト…しちゃ…ダメよ…ペリーヌ…だけど…止まらない…
 気持ち良くて…止められないの…お願い…誰か…わたしを…止めて…止めさせてェ…』
 ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ズチュッ、ズチュンッ、ズチュンッ、ズチュンッ…
「アッ、アッ、ンアアッ、ンフウ、ハアアッ、フウンッ、アッ、アンッ、ハアアァァ…」

 この時ペリーヌ様の肉体は二つの膨らみと火照った秘部をすべて同時に慰めてくれるもう
一つの手を…いいえ、包み隠さずに申せば異性との、それもマルセルのような少年では無く
大人の殿方との陵辱に等しい激しい性愛を求めてしまっていました。
ですが、一度犯され始めれば、必ず5回、6回と未熟な子宮に欲望を吐き出され、その間中
まだ幼い肉体を貪られて、それに慣らされざるを得なかったこれまでのご体験を考えれば、
少年との交合に物足りなさを感じてしまわれたお嬢様をふしだらとそしることが誰に出来た
でしょう。
 白銀に輝く月と満天にまたたく何千という星々の下、年端も行かぬ少女が何時終わるとも
知れずに自らを慰めるそのような光景は、まるで誕生したてのサキュバスが持って生まれた
自らの淫らな性(さが)に戸惑いながらも本能に導かれるまま男の精を求めてしまう姿にも
似てとても蠱惑的で、もしそれを殿方が見たら忽ちの内に淫夢の虜とならずにはおかれない
ものでございました。

 肉体に芽生えた快楽の誘惑に抗えず、自らを慰めて絶頂を迎えられること5回、お嬢様が
とうとう力尽きられて大岩の上でその余韻に浸っていらっしゃると、そこからほど近い湖に
突き出た岬の茂みからカサリと音がしました。
「だ、誰?……誰か、いるの?…」
 それを聞き我に帰られたお嬢様は身を起こされ腕で前を隠されてそちらを窺いましたが、
それ以上何の気配も無く、ただの風の仕業かとも思われました。
 ですが、今のあられもない乱れ姿を誰かに見られたかもしれないと思うと、ペリーヌ様は
ご自分のしていた事が死ぬほど恥ずかしくてなられ、岸に上がられても愛蜜にまみれた肌を
拭くことも忘れ急いでドロワーズと寝間着を着けられて、お母様達の許へ走られました。

 馬車に戻られたペリーヌ様はなるべくそっとドアを開け閉めなさいましたが、蝶番の軋む
音は夜のしじまの中で思いのほか大きく響いて、お嬢様の胸を騒がせました。
それでも折りたたみベッドの上のマリ様は背中を向けたままよく眠っていらっしゃるご様子
でしたので、一安心されたお嬢様は、ご自分のベッドの前に跪かれ、心の中で今夜のことを
お母様に懺悔されます。
『ごめんなさい、お母さん…わたし、お母さんに内緒でまたあんな事を…
 でも信じてお母さん、あれはマルセルのためだったの、だってあんなマルセルを見てると
 わたしにはああするしかなかったんです
 だけど、その後、湖でしたことは…
 なぜあんな事をしてしまったのか、自分でもよく分からないの…本当よ、お母さん
 でも、きっと、とても恥ずかしいことなんだわ…
 もうけしてあんな事はしませんから、許して、お母さん』

 声に出しては言えないお嬢様の懺悔が終わろうとした丁度その時、それを待っていたかの
ように声が聞こえてきて、胸をドキリとさせたお嬢様は、マリ様の方へ振り返りました。
お嬢様に背中を向けたままでお話になられるマリ様の声は、今目覚めたばかりのようにも、
お嬢様が馬車を出てこの方、ずっと起きていらしたようにも聞こえ、もしそれが後者なら、
お母様はお嬢様が今夜された事をすべてご存知なのかもしれないと思えて、お嬢様の心臓は
鼓動をますます早めます。
「ペリーヌ…」
「お母さん!?…起きてたの?」
「いいえ…なんだかドアの音がしたようだから…」
「そう…眠ってたのね…ごめんなさい、お母さん、起こしてしまって」
「それはいいけれど、どうしたの、こんな夜遅くに表に出たりして」
「いえ、あの…マルセルが…淋しがってないかしらと思って…」
「そうなの…それで、ペリーヌは、あの子を慰めてあげることができましたか?」
「え?……ええ…今はパリカールの横でぐっすり寝ているわ」
「そう……それは良いことをしました
さあ、あなたも疲れているでしょう? 早くお休みなさい」
「はい、お母さん、そうするわ」

 マリ様は、ペリーヌ様が馬車に戻られた時に女の匂いをまとわれていたことにお気づきに
なられていらっしゃいましたが、それきり何もおっしゃりませんでした。そして、その夜の
夢見に火照らされたお嬢様の肉体はその匂いをさらに強めていったのでございます。
『まだまだ子供だと思っていたけれど…ペリーヌ、あなたももう女なのね…
 わたしがお父さんと初めて結ばれたのも、あなたと同じ頃だった…
 あなたには、お父さん唯一人に愛されたわたしのようには、もうできないけれど…
 でも何時か、あなたを心から愛してくれる人が現われるわ…
 ペリーヌ、あなたもその人を一生懸命愛すれば、きっと幸せになれるわ…』

 こうして、まだ恋も知られぬというのに期せずして弟のように思っていたマルセルに性愛
(あい)の手ほどきをされることとなられたペリーヌ様はその中でこれまで得られなかった
女の悦びの一端を垣間見られ、少年もまた初めての性体験で味わったその強烈な快感ゆえに
それが初恋だとも気付かずお嬢様に姉弟のものを越えた慕情を懐いたのでございます。
そんな少女と少年の秘められた営みを照らした月が何事も無かったかのように静かに天穹を
渡っていきます。
 ですが、二人を見守っていたのはお月様だけだったのでしょうか…
イタリアでの旅も終わりに近づいた忘れ得ぬこの夜、奪われるのではなく愛を与える悦びを
知られたお嬢様には、けれど未だ多くの、身も心もそのすべてを奉げられる愛人との本当の
愛を知る為に課されたつらい試練が待ち受けているのでございます。
そして、その一つは驚くほど間近まで迫っていました……

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