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レディ・ペリーヌ物語 7



〜 レディ・ペリーヌ物語 7 〜


【 旅の続き ―イタリアでのいくつかの出来事 その3 後編― 】


「エエッ! ホントにそんなことするの?」
「ええ、そうするとマルセルのおチンチン、もっと気持ち良くなるのよ」
「だけど、お姉ちゃんの穴、入れてるだけでもこんなにきついのに、そんなことしちまって
平気なの?」
「マルセル、わたしを心配してくれるのね…
でも大丈夫よ、だってわたし、こういう事、もう何度もしたことあるから…」
『そう、何度も、何度も、大人の男(ひと)に…それに比べたら…』
「その時だって、ちっとも痛くなんてなかったわ
きっと女の子のそこって、男の子のおチンチンが入れるように神様がお造りになったんだわ
ね、だからマルセルは何も心配しないで、わたしの言ったとおりにしてみて」
「そうなの?…じゃあ、お姉ちゃん、いくよ」
 股間のものを使ってと言われても、わたくしの弟が小さい頃よくそうしていたように遊び
仲間の中で誰が一番遠くまで小便を飛ばせるか競争する時に摘み上げることくらいしか思い
浮かばなかったマルセルは、さっき指でしたようにそれをお嬢様の中に出し入れするのだと
聞いて途方にくれました。
 ですが、せっかくお嬢様が自分の為に言ってくれたことなのだからと思い腰を少し引いて
クンッと前へ突き出してみました。すると、これまで感じたことのない強烈な快感が少年の
股間を突き抜けました。そして、それはお嬢様にも…

「ンッ、ンアアッ!」
「ウワッ! なんだ今の!?」
「マ、マルセル、どお?…言ったとおりだったでしょ?」
「うん、とっても気持ちよかった!
お姉ちゃん、もう一回、してもいい?」
「いいのよマルセル、あなたのおチンチンが治るまで、何度だって」
「じゃあ、いくよ」
「ンフッ…じょ、上手よマルセル、さあ、その調子で、もっと続けるの」
 そうはいっても初めて勃起させた性器をこれもまた初めて性愛の道具として使おうとする
マルセルは、それをもっと勢いよく擦り合わせたくて腰を引き過ぎてしまい、膣から抜けて
しまってどうしても抽挿をし続けることが出来ませんでした。
「ねえ、お姉ちゃん、このままじゃ動きづらいや
お姉ちゃんのチンチンを入れるトコ、もっと上に持ち上げてよ」
「え、上に持ち上げるって?……あっ!……」

 男の子の前で膝を立てた両脚をあられもなく開かれているだけでも十分過ぎる程の羞恥を
味わわれていらっしゃることも知らずに、少年が無邪気にお願いしてきた姿勢を思い浮かべ
られたお嬢様は、それが今よりさらに恥ずかしいものだということに気付かれます。
 その姿はふしだらな娘が自ら性器をちらつかせて男を誘っているようで、とても嫌らしく
思え、そんな光景を頭から振り払おうとなさいましたが、そうすればするほどペリーヌ様は
そうした娘となったご自分のお姿をご想像されてしまいます。

―――ほらマルセル、こうするとわたしのおマンコ、よく見えるでしょ?
ええッ、もっと?…膣内(なか)も見たいの?
もう、マルセルったら…ウフフ、あなたもやっぱり男の子なのね?
いいわ、じゃあ今、指で拡げてあげるから、よぉく見るのよ…
やん、ぬるぬるして指が奥にッ、ア、アアン、いやん感じちゃう…
うん?…え、指が邪魔? そうよね、なかを見せてあげるんだったわよね…
どお、マルセル、これで見える? これが女の子のおマンコよ
なかからイヤラシイお汁がいっぱいあふれてきてるでしょ?
ねえ、知ってるマルセル? 女の子って、男の子のおチンチンが欲しくなるとこうなるの
あら、ウフフ、マルセルのおチンチン、大っきくなった
マルセルもわたしのおマンコにおチンチン、入れたくなったのね?
うれしいッ、わたし、おチンチン入れられるの、大好きなの
わたしのおマンコ、とっても気持ちいいのよ
だからおねがい、マルセルのおチンチン、わたしに入れてちょうだい…
ファアアッ、入って来るゥッ!
アッ、アンッ、アアンッ、いいわッ、マルセルのおチンチン、とっても気持ちいいッ!
もっと動いてマルセルッ、マルセルのおチンチンで、わたしのおマンコ、もっと気持ち良く
してェッ!―――

「マ、マルセルッ、本当にそうしなくちゃいけないの?」
「だめ?…」
『ああ、マルセル、そんな悲しそうな顔をしないで…
 いいわ、マルセルのためだもの…
 どうせもう、わたしの恥ずかしいところ、全部見られちゃってるんだし…
 それに、もっと恥ずかしいコトだって、もうしちゃってるじゃない』
「う、ううん、いいわ、マルセルの言うとおりにしてあげる…
ん…んんん……ど、どお、これでいい?」
 ペリーヌ様は、お顔を赤らめながら踵を踏ん張ってお尻を浮かせ、マルセルの前に秘部を
差し出されましたが、二突き、三突きされるとすぐに脚から力が失せてお尻が地面に落ち、
少年の愛の矢が抜けてしまいました。
「ンッ、ンアッ、フゥン…だ、だめ、もう続けられないわ
それに、こんな格好はやっぱり…」
「えー、もうだめなの?
でもお姉ちゃん、おいらのチンチン、まだ腫れたまんまだよ…」

 こんな時、大人の殿方ならばお嬢様のお身体を自在に操りどのような体位でも取らせて、
性愛を思うまま愉しむことが出来たのでしょうが、如何せん、まだ初心な少年にそのような
芸当が出来るはずもありませんでした。
ですが、知り初めたばかりの性の快楽に魅せられた少年に今それを止めることなど出来よう
はずもなく、どうすればもっと上手くお嬢様と繋がり続けられるかと必死に考えを巡らせて
いると、ふとある光景が思い出されてきました。
そして、それを試そうとするマルセルは、ペリーヌ様にさらなる恥ずかしいお姿を取らせて
いきます。

「ねぇ、お姉ちゃん、だったら、おいらにまかせてくれる?」
「いいわ、マルセルの好きなようにして…」
『えっ、何? マルセル、どうするつもりなの?
 ンンンッ、そんなに身体を折り曲げられたら、苦しいわ』
 サーカス団の動物を調教して思いのままの姿勢を取らせていた父親を思い浮かべながら、
マルセルはお嬢様の足首を取って両肩に乗せ、両脚を腕で抱えて、お嬢様の上へ前のめりに
伸し掛かっていきました。
そうして体重を乗せていくと、お嬢様のお身体が屈曲させられて自然とお尻が持ち上がり、
少年の前に膣口が曝け出されて、まるでもう何度もそうしたことがあるかのように、そこへ
狙い違わず亀頭が潜り込みます。
そして、倒れ込みそうになった上半身を支えようと地面に両手をついた弾みで却って勢いを
増したマルセルの腰はお嬢様の下腹部へ向けて一気に距離を縮め、ズリュリュリュリュ…と
膣の中の肉襞と擦れ合い掻き分けていった少年の肉茎がコリコリした子宮口に突き当たり、
二人の性器が深く繋がりました。
「アフッ?! ンアアァァァ…」
『アアッ、マルセルがッ、マルセルが入って来るッ、奥まで来てるッ!』

 少年がお嬢様に取らせた、身体をきつく二つ折りに屈曲させ女が逃れられぬよう拘束する
この体位は、恋人同士が愛し合う時に使われることも無くはありませんでしたが、それより
むしろ嫌がる女を無理やり犯す時にこそ多く使われるもので、その情欲の趣くままに激しく
肉体を貪る様子から、獣のように交わるのと同じく表向きは恥ずべき淫らな性交位とされて
おりました。
 ですが、初めて試したにも関わらずこうも容易く出来たことを考えると、この体位はまだ
幼い二人の肉体の相性を最も高めるものだったようでございます。
根元までしっかり挿入できたマルセルは先程よりさらに強く快感を得、お嬢様もまた少年の
性器を体内深くまで隙間無く埋め尽くされて、剣が良く誂えられた対の鞘にピタリと収まる
ような、快感と言っても良いとても満たされた感覚を覚え、それが膣をさらに強く締め付け
させます。

「ウワァッ、お姉ちゃんのマンコがおいらのチンチン、ギュウって包んでくるッ!
お姉ちゃんのマンコ、すごく気持ちいいよォッ!」
「いいのッ、それでいいのよ、マルセルッ
わたしのおマンコでもっと気持ち良くしてあげる、だからおチンチン、もっと動かしてッ」
「うん、そうするッ!」
 一突きするたびに増していく快感はたとえようもなく甘美なもので、お嬢様ご自身もまだ
お気付きになっておらず、ましてや少年のマルセルにその違いが分かるはずもございません
でしたが、ペリーヌ様の愛の泉は、一度その味を知った者をけして魅了されずには置かず、
情欲の虜とする蠱惑の泉だったのでございます。
 ペローの寓話には、男は皆狼だ、と記されておりますが、お嬢様のそれは仔狼をサカリの
ついた牡狼へと変貌させました。

「ウアアッ、お姉ちゃん、スゴイよッ、すごく気持ちいいよォッ!
お姉ちゃんッ、お姉ちゃんッ、お姉ちゃ〜ん」
 愛の矢を放ったマルセルが次の矢を番える為に身体を引くと、少年に腰を打ち付けられて
圧し下げられたお嬢様の下腹部が反動でしなやかに弾み上がって、そこを再び少年が突く、
玉乗りに似たその一連の動作を保つには相手とうまく動きを合わせる必要がありました。
ですが、これもサーカスで曲馬を演じる母親譲りの優れたバランス感覚のおかげでしょう、
瞬く間にその要領を掴んでいった少年は尻たぶをキュッ、キュッ、と引き締めて矢継ぎ早に
腰を突き出し、取り憑かれたように初めての性愛にのめり込んでいきました。

 それと時を同じうして、これまでのご体験ではその幼い肉体には長大すぎる男性器を受け
止めきれず、性愛に苦痛を感じられていらしたペリーヌ様でしたが、マルセルとのそれでは
少年の最も深い挿入でも子宮口に軽く当たる程度で、それを繰り返されている内にいつしか
快感を覚えるようになっていかれました。
 とは申せ、マルセルの為とはいえお母様に言えないような事をしてしまった上に、殿方に
無理やり犯された時の悲痛な記憶も未だ薄れ得ぬその同じ行為の中で勝手に反応してしまう
ご自分のお身体がとても嫌らしいものに思えて、潔癖なお嬢様にはまだそれを気持ち良いと
お認めになることがお出来になれませんでした。
ですが、お嬢様がいくらそうして否定されても、その肉体が性の快感を感じ始めていたのは
誰の目にも明らかなことでございました。

 愛蜜で潤った熱い泉に淫靡な音を奏でさせるマルセルの動きがますますその律動を早めて
いくと、腰が蕩けてしまいそうな快感の波に呑み込まれていかれたお嬢様にはもはやそれに
合わせてご自分の口から洩れる甘い吐息がより一層高く切なくなっていくのを抑えることが
出来なくなられます。
「アッ、アッ、アッ、アンッ、ンッ、ウッ、ウンッ、ンアッ……
ま、待って、マル、セル、も、少し、ゆっく、りィ…」
「だめなんだ、お姉ちゃんが、あんまり、気持ち、いいから、おいら、止められ、ないんだ
だけど、お姉ちゃん、これで、いいん、だよね」
「それは、そ、ウウッ、だけ、ンアッ、そ、ンッ、されたら、アン、わたし、アアンッ!」
「もしかして、お姉ちゃんも、気持ち、いいの?
だったら、お礼に、お姉ちゃんが、もっと、気持ち良く、なれるように、してあげる」
「ちがウッ、わた、アッ、気持、ンッ、よクッ、なんンッ、なアッ、アンッ、アァァ……」

 やがて、ペリーヌ様の膣が相手の射精を促すようにククッ、クククッと痙攣をし始めて、
愛の矢をいよいよきつく締め付けられたマルセルは、その根元が痺れるような感覚に襲われ
ました。
 まだ精通も経験していなかった少年は、それを尿意と勘違いして焦りますが、その感覚は
刻一刻と強まるばかりで、このままではペリーヌ様に一生許してもらえないようなとんでも
ない事になってしまうと思いました。
もちろん、それが本当に尿意だったとしても、言うまでもなくペリーヌ様と今している事を
止めて用を足せば済むことではございましたが、もしそんなことをして自分の性器が元通り
小さくしぼんでしまったら、もう今夜の事はお終いになってしまうかもしれないと思うと、
初めてにしてこれ以上は無いと思えるその快楽を諦め切れなかった少年は、お嬢様の中から
愛の矢を一旦抜いて、何とかこれをやり過ごそうとしました。

『そうか、だから裸になんなきゃいけなかったんだ
 でも、お姉ちゃんの中にオシッコなんてできないよ
 どうしよう、なんかで気をそらさなきゃ
 ええと…羊が一匹、羊が二匹……ああ、ダメだ、こんなんじゃきかないや!
 そうだ、あいつならどうかな?
 バロンが一匹、バロンが二匹……よし、いいぞ、少しおさまってきた
 バロン、おまえって、やっぱり役に立つ奴だな』
 そんなマルセルの思いが伝わったのか、お嬢様から旅の護衛隊長を仰せつかっていながら
呑気に寝入っていたバロンは自分の寝床で垂れた耳をピクリと立てましたが、それも一瞬の
こと、何事もなかったかのように『フワァ〜〜』と大あくびをしたきり、また眠りに落ちて
しまいます。そして、再び抽挿を開始されたお嬢様のお上げになられる喘ぎ声がさらに高く
なり夜の静けさの中で響くようになっても、寝床の上の馬車の床板がかすかに軋んだ時も、
夢の中で兎を追いかけていました。ですが、お嬢様と少年とのこの夜の出来事を二人だけの
秘め事として収める為にはその方が良かったのでしょう。

 それからも三度ばかり、上り詰められようとするたびにそれを邪魔されて、ペリーヌ様の
肉体はどうしようもない切なさに疼いていました。
『アア、またなの? 何で途中で止めちゃうの?
 これじゃ、マルセルの、元に戻せないわ…それに、このままじゃわたし…』
 やがて、マルセルがまたもや愛の行為を中断しようとした時、女の本能に衝き動かされた
お嬢様は、相手の背中に腕を回し腰に脚を絡げてしがみ付き、少年をご自分の体内深くへと
引き戻されました。

「だ、だめだよ、お姉ちゃん、そんなことしたら、おいらッ!」
「だって、わたし、もうッ…お願いよマルセル、もう終わらせてッ!」
 もはや引くことも叶わず、絡み付きウネウネと蠢く肉襞に絞めつけられた少年の愛の矢は
忽ちの内にビクビクと脈動し始めて密着する子宮口めがけて初精を噴き出し続け、気の遠く
なるようなその快感に身を震わせたマルセルは、お嬢様の乳房を両手に固く握り締めながら
果てました。
 そして、ようやく絶頂を迎えることがお出来になられたペリーヌ様もまた、砂漠をさ迷い
乾き倒れた旅人が差し出された皮袋の中身を餓えた喉に流し込むように、最後の一滴までも
呑み込んだ少年からもらった命の水によって子宮を満たされて、女の悦びに打ち震えたので
ございます。
「お姉ちゃんッ! おいら、出ちゃうッ! ウアアァァ、とまんないよォォォッ!!」
「ハアアアァァァッ! マルセルッ、マルセルゥゥッ!!」
『よかった…マルセルのおチンチン、元どおりに…
 わたし…マルセルの…役に…立てた…のね…』

 それから5分程が過ぎて、胸に違和感を覚えて意識を取り戻されたペリーヌ様がご自分の
胸元をご覧になられると、お腹の上にマルセルが倒れ込むようにして眠っていて、それでも
手放さなかったお嬢様の双丘を時折ビクッ、ビクッと無意識に握り締めていました。
 マルセルが精根尽き果てたのも無理はありません。なにしろお嬢様と契り始めてから事が
終わるまで優に小一時間、その愛の矢で大人に引けを取らぬ程激しくペリーヌ様を攻め立て
続けたのですから、いくら将来自分もサーカスの団員になることを目指して身体を鍛錬して
いたとはいっても、まだ子供のマルセルにはやはり荷が重かったのでしょう。
 そして、それはまだたった十三歳でしかなかったお嬢様にとっても同じことでした。
すぐに終わるはずだった少年との交合が思いのほか長く続いてしまい消耗されたお嬢様には
今はすべてが気だるく、そうして素肌を重ねていながら、ご自分とマルセルとがあんなにも
激しく肉体を交わらせたあのひと時も、それどころか、初めて迎えられた絶頂ですら、夢の
中の出来事のように感じられます。少年にしがみ付いた腕も脚もすでに地面に落ちて肢体を
しどけなく開かれたまま、お嬢様はその温もりと重みをこのまま何時までも感じていたいと
思われました。

 けれど現実はペリーヌ様を放っておいてはくれず、肉体の最も深い部分から漏れ出てきた
少年の精液が、ぼんやりと霧の中に浮かんでいるようなお嬢様の色の無い夢を破ります。
『あ、マルセルのが…イヤ、お尻にまで…』
「マルセル…ね、マルセル、起きて」
「う、ん…お姉ちゃん?」
「さあ、起きるのよ、マルセル、身体を洗わなきゃ…」
「そんなの…おいら、眠いんだ…このままでいいよ」
「だめよそんなの、お股のところがヌルヌルしたままじゃ気持ち悪いでしょ?
そこはいつもきれいにしておかないといけないって、お母さん、言ってたわ
それに、その…マルセル、まだわたしのお胸、触り足りないの?」
「お姉ちゃんの…おっぱい?…そういや、さっきからおいらの手、ふかふかして……
ウワッ! ご、ごめん、ペリーヌ、おいら、おいら…
痛くしなかった? おいら重くなかったかい?」
「ウフフ、マルセルったら、そんなに心配しなくても大丈夫よ、マルセルは軽いもの
でも、これでやっと目が覚めたみたいね?
それじゃあ、わたしが洗ってあげるから、一緒に湖へ行きましょう」

 お身体を巡らせてご自分の上の乗っていたマルセルをそっと横に降ろされたペリーヌ様は
二人が体を重ねた木の下からほど近い湖の浅瀬へ向かわれようと立ち上がられます。
地面に寝そべったままお嬢様を目で追った少年には、まだ肉付きは薄いけれど丸みを帯びた
白いお尻と、その丸みの陰が内股を通して湖面から反射した月光によって照らし出されて、
まだ花びらを綻ばせたままヌメヌメと艶めく柔らかそうな恥丘の盛り上がりが見えました。
そこからは指で弄った時には感じなかった青臭い匂いが漂ってきます。
『さっきまで、おいらのがあそこに…
 あれ? これ、何の匂いだろ?…ペリーヌのマンコからするみたいだ…
 さっきまでしなかったのに…そうか、きっと、おいらがペリーヌにつけた匂いなんだな…
 でも、オシッコの匂いとは何だか違うな…』
「さあ、マルセルも来て」
「あ…うん、わかったよ、ペリーヌ」
 振り返られたお嬢様と目を合わせたマルセルがお嬢様の秘部を見詰めていた事に悪びれも
しなかったのは、少年が男となった証しだったのでしょう。自分も立ち上がってマルセルが
追うその後姿は、過日川原で見たものと何等変わらないはずでしたが、もはや少年にとって
それはただ眩しいだけのものではありませんでした。

「ヒャア、冷たッ! でも体がホカホカしてるから、気持ちいいや」
「もう、マルセルったら…
さあ、遊んでないでこっちへいらっしゃい、わたしが洗ってあげるわ」
「え…い、いいよ、ひと泳ぎすりゃ、きれいになるからさ」
「そんなことしたら身体が冷えちゃうじゃない」
「そんなの、おいら平気なんだけどな…あの、ペリーヌ…自分で洗っちゃだめかい?」
「あら、だめよ、今夜のわたしはあなたのお母さん代わりだって言ったじゃない
だから、最後までわたしに任せるの」
「う、うん…」

 マルセルの前で湖の浅瀬に膝をつかれたお嬢様はその柔らかな手で水をすくっては少年の
お尻や太ももを甲斐甲斐しく洗ってあげていかれましたが、しばらくするとまだ洗い残した
ところがあるのに手を止められてしまいます。
そこは、お嬢様が視線をおへそより下へ下げないようにして意識しないようにされていた、
マルセルの男の子の部分でした。
お嬢様はもうすでにそこを触れられてもいらっしゃいましたが、それは股間に痛みを訴えた
マルセルをご心配されたが上でのことであって、少年のものが未だ大人の殿方に大きさでは
及ばぬものの同じ機能を果たす立派な男性器であることを実際にその身でお知りになられた
今となっては、躊躇いを覚えられずにはいられなかったのでございます。
 とはいえ、少年の股間をご自身の愛液で汚れたままにしておくこともやはり恥ずかしく、
お嬢様はそうした躊躇いを抑えられ、踵の上にお尻を落とされて前を直視されました。

 お嬢様が手の平に触れられたそれは、亀頭のくびれに襟巻きのように皮を被らせて今では
すっかり元の子供の形に戻っていて、つい先ほどまでご自分の下腹部を穿っていた物と同じ
物だとは信じられませんでした。それに、そうして改めて間近から見ると、その付け根には
何だか分からない変な物がぶら下がっていました。むろんお嬢様はこれまでもそれを何度も
目にされていらしたはずですが、先ほどはマルセルの性器が勃起した事に驚いてそれどころ
ではなく、ましてやご自分をこれから犯そうとしている殿方のものをしっかり見ることなど
お出来になれようはずも無かったのでございます。

『さっきから指に当ってるこの二つの塊って、いったい何なのかしら?』
 少年の股間をそっとぬぐっていくたびに揺れ動くそれの中には、固いようでいてけれども
クニクニと柔らかい、ゆで卵みたいなものが入っているようでした。
ペリーヌ様はマルセルの股間に触れられてみて、女の子のご自分と比べて男の子のそこには
こんなに色々なものが付いていて邪魔ではないのかしらと思われました。
 そうしてお嬢様にさわさわと股間のものを触れられて内に、マルセルは股の付け根に脚の
腱が攣りかけた時のに似たツキンという痛みが走るを感じます。そして、それと同じ疼きを
少し前にも感じたのを思い出しました。

「ペ、ペリーヌ、もういいよ、そこは」
「あ…そ、そうね、もういいわね」
 ペリーヌ様は、いつの間にか少年の性器を手にとってまじまじと観察しまっていたことに
気付かれてハッとその手を離されると、ドキドキする胸に片手を当て、浅瀬の砂地に片手を
ついて、赤く染まったお顔を背けられ、マルセルもまた急に気恥ずかしさがこみ上げてきて
横を向きます。
 言葉を途切れさせた二人の立てた波紋が月影を照り返しながら湖水をゆらゆらと揺らして
いきました。

「あ、ありがとう、ペリーヌ…」
「う、ううん、いいのよ…」
「あと、さっきはごめんよ」
「ごめんて、何のこと?」
「だって、おいら、ペリーヌの中に出しちゃっただろ…その…オシッコをさ」
「オシッコ?……
クフッ! ヤダ、マルセルったら!
マルセル、アレを、そんな、ふうに、思って、たの?」
「え、ちがったのッ?!
チェッ、そんなに笑わないでおくれよペリーヌ、おいら、こんなの初めてだったんだからさ
でも、よかったよ、オシッコじゃなくって
だけど、だったらおいらのチンチンから出たのって、なんだったんだい?」

「ああ、苦しい…マルセルったら、とってもおかしなこと言うんですもの
でもマルセルが知らなくても、無理ないわよね…ごめんねマルセル、いいわ、教えてあげる
って言っても、アレが何なのかは、わたしにもよく分からないんだけど…きっと、女の子の
おマンコの中に出すためのものなのよ
そうすると、男のひ…男の子って、気持ち良いんでしょ?」
「うん、とっても気持ちよかったよ!」
「やっぱりそうなんだわ…たぶん、男の子のおチンチンにはアレが溜まるところがあって、
おマンコに出したくなるとそこにアレがどんどん溜まってきて、さっきのマルセルみたいに
パンパンに腫れちゃうんだわ」
「へぇー、チンチンからは、オシッコとは別のも出るんだね?」
『そうか、あの青臭いの、それの匂いだったんだ』
「でもさ、おいら、ペリーヌのマンコにあれを出したいだなんて、思ってなかったよ」
「それってきっと、マルセルがまだ子どもだから、自分じゃ気付いてないんだわ
だってみんな、マルセルみたいに、わたしのおマンコにアレを出してたもの…」

「ふぅーん、そうなのかなぁ?…
じゃあさ、ペリーヌはどうだったの?
あれが、マンコの中に出すためのものだったんなら、女の子もそうされると気持ち良いの?
おいらにあれをマンコに出されて、ペリーヌもやっぱり気持ち良かったのかい?」
「え?…」
 マルセルの思わぬ問い返しに一瞬言葉に詰まられたお嬢様の脳裏には、あれほど厭われて
いらした体内への射精をご自分が望んでしまった事や、膣の中で少年のものが脈動を始め、
熱い精液が子宮口から注ぎ込まれて内部を満たされていった時の感覚が甦ってきました。
すると不意にご自分の花びらがヒクンと震え、まだ体内に残っている少年の精液とは別の、
トロリとした雫が内股を垂れ落ちていくのを感じられます。

「そ、それは……
マ、マルセル、もう体も洗い終わったんだから、さっきのところへ戻りましょ
わたしが服を着させてあげるわ」
「えー、でも、ペリーヌはまだ体を洗ってないじゃないか?
そうだ、おかえしに、今度はおいらがペリーヌを洗ってあげるよ」
「え、マルセルが?…」
 少年の再びの思いもかけない申し出に一瞬戸惑われたお嬢様は思わず少年の手でお身体を
洗われるご自分のお姿を思い浮かべてしまいます。
そうすると乳房をがむしゃらに揉みしだき、あまつさえ膣内を奥まで容赦無く弄っていった
その手の感触が甦ってきて、しかも少年にそうさせたのがご自分自身だったのだと思うと、
お嬢様に堪えようの無い恥ずかしさが込み上げてきます。ですが、少女としてけして異性に
触れられたく無い二つの部分を手酷く甚振られたというのに、そのお心のどこかではそれを
拒まれていなかった、それどころか快感さえ感じてしまわれたことをお嬢様は覚えておいで
でした。
 もし今少年に肌を触れられたら、ご自分の中の何かが変わってしまうような予感がして、
ペリーヌ様は慄かれます。それは、まだ少女のままでいたいというお嬢様のお心が抱いた、
女として目覚めつつあるご自分の肉体への怖れでした。
「だ、だめよ、そんなのッ
わ、わたしはいいの、あなたが馬車に戻った後で、自分でするから
さ、いつまでもこうしてると、風邪をひいちゃうわよ、マルセル」

 そうして、マルセルを急き立てるように先ほどの木の下まで戻られ、少年の濡れた身体を
拭いてあげようとご自分の寝間着を手にしようとされた時、ペリーヌ様はその横にタオルが
あるのを見つけられました。
ちょうど二枚あったそれは、まるで誰かが二人の為に置いていったようにきちんと畳まれて
いましたが、きっとご自分が気付かれなかっただけでマルセルが持ってきていたのだろうと
思われたお嬢様は、そのことを訝しまれることもなく、そのタオルで少年の身体を拭かれて
いかれました。ご自分はさておき、先にマルセルに服を着させていくペリーヌ様は、まるで
一緒に湯を使った後に弟が風邪を引かぬよう気遣う実の姉のようでございました。
「さあ、これでいいわね」
「ありがとう、ペリーヌ…
ねえ、ペリーヌ…もしもまた、おいらがさみしくなったらさ…
また今夜みたいにしてくれる?」
「今夜みたいにって…
バ、バカねマルセル、あなたはもうすぐ本物のお母さんに会えるじゃない
だから、もう淋しくなんてならないわ」
それに、さっきのは…ああいう事って、本当は…」

『そう、思い出したわ…あれは、わたしがまだ小さかった頃…
 たしか、夜ふけにお母さんの声が聞こえてきて、目を覚ましたわたしは、お母さんたちの
 お部屋に行って、ドアの隙間から中をのぞいたの
 そしたら、裸のお父さんが、やっぱり裸のお母さんのお尻に後から体を打ち付けていて、
 そのたびにパン、パンって音がしてた…
  わたし、お母さんがお父さんにぶたれているのかと思って、お母さんをぶたないでって
 言おうとしたんだけど、いつもはあんなに物静かなお母さんが大きな声で悲鳴を上げてる
 のがとっても怖くなって、自分の部屋に逃げ帰ったわ
 それからもずいぶん長い間、そんなお母さんの声が聞こえ続けて、両手で耳をふさいでた
 わたしは、泣き疲れて眠ってしまったんだわ…
  でも、次の朝、わたしを起こしに来てくれたお母さんの目はきらきら輝いてて、いつも
 よりもっときれいなお母さんを見てると、前の夜のことは悪い夢だったんじゃないかって
 思えてきて、いつの間にかそんなことがあったことも忘れてたんだわ…
  あの時は、お母さんたちが何をしていたのか分からなかったけど…今なら…
 だって、お父さんとお母さんは、愛し合って結婚していたんですもの…
 でも、わたしとマルセルは…
 いくらマルセルが好きでも、やっぱりお母さんたちとは違うんだわ…』

「ねえ、マルセル、いつかマルセルには、わたしなんかよりもっと好きな女の子ができるわ
そして、その子も同じくらいあなたを好きになるの…そうしたら…
きっと、今夜のことなんか忘れちゃうわ」
「だけど、おいら……
ペリーヌは、おいらのこと、好きじゃなかったの?」
「ううん、大好きよ…でも、わたしはマルセルといつまでも一緒にはいられないもの…
その代わり、これからもずっとあなたのお姉さんになってあげる、それでいいでしょ?
さあ、もう遅いんだから、子どもはパリカールのところに行って早く寝なさい」
「チェ、わかったよ……
だけど、ペリーヌはどうするの?」
「わたしは…まだすることがあるから、もう少ししてから戻るわ」
「そう……
ねえ、ペリーヌ、おいらたちもうすぐお別れだけど、何か困ったことがあったら、おいらに
言ってよ、そしたらおいら、どんなことでもするからさ」
「もう、マルセルったら、弟のくせに生意気言ってないで、早く行きなさいよ」
「うん、じゃあ……
あ、そうだ、思い出した、ペリーヌ、体を洗いに、また湖に行くんだろ?
だったらこの前みたいに、だれかにハダカを見られないように見張り番をしてあげようか?
男のおいらが一緒についてけば、ペリーヌも心細くないだろ?
「一緒に? そ、そんなのだめよマルセル
いいから、マルセルはお姉さんの言う事をきいて、先に戻ってちょうだい!」
「どうしても?……
わかったよ、じゃあ、先にいくよ…」
「マルセル、風邪ひかないように、温かくして寝るのよ
それから、あの…今夜の事は、お母さんには…」
「うん、わかってるよ、おいら、ペリーヌがしてくれた事、誰にも言ったりしない…
じゃあ、おやすみ、ペリーヌ」

 マルセルは馬車の泊めてある所へ通ずる林道に入り、振り返って湖へ向かわれるお嬢様を
一瞥すると、道を駆け戻りました。そして、パリールの傍らで横になり、毛布を頭まで被り
ました。
『ペリーヌ…おいらたち、もうすぐお別れなんだよ…
 もうあんな事、してくれなくてもいいから、もう少しペリーヌと一緒にいたかったな…
 さっきおいらたちが…ペリーヌがしてくれた事って、やっぱり特別な事だったんだよね?
 だって父ちゃんと母ちゃん、おいらを寝かし付けた後、おいらたちと同じ事してたから…
 あれって、好き合ってる者同士がする事なんだろ?…でも、姉弟じゃ…
 ねえ、ペリーヌ…おいら、弟なんてやだよ…だって、おいら…
 ペリーヌのこと、もうお姉ちゃんだなんて思えないよ…ううん、思いたくないんだ…
 ねぇ…知ってるかい…鹿を捕まえたの…ペリーヌに…喜んで…欲しかったから…なんだ…
 おいら…今夜の…事…絶対…忘れ…ない……よ………』
 お嬢様への想いに寝ね難な様子だった少年は、けれど、間も無く快い気だるさに包まれて
眠りに落ちていったのでした。

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