〜 夏の嵐のように 5 〜
【 夏の嵐 】
それからしばらくすると、あんなにアリスの乳房に執着をみせたスターリングもさすがに
疲れてしまったのでしょう、少女の腹の上に頭を乗せ、息を喘がせていました。
どれくらいそうしていたのか、荒かった息が収まるにつれ、自分でもなんでそうなったのか
よく分からない気の昂りがまるで憑き物が落ちたように静まっていき、心地よい気だるさに
包まれたスターリングは、いつまでもこうしていたいと思いました。
しかし、少年の心の片隅には、自分が何か大事なことを忘れているという感覚があって、
それはしだいに大きくなっていきます。
それが何であるのかを確かめなくてはいけないような気がした少年が体を起そうとして腕に
力を入れると、指が何か柔らかいものに沈み込み、ほんの少し前にも聞いたような気がする
聞き覚えのある小さなあえぎ声がしました。
なんだか頭がクラクラするのを感じながら、スターリングが声のした方へのろのろと顔を
向けると、自分の手がアリスの乳房の上に重ねられ、小刻みに上下する胸ごしに浅く忙しい
息づかいが伝わってきます。そして、華奢な腕を頭の上に交差させて顔を隠している少女は
弱弱しく、とても悲しげに見えます。
頭のどこかが痺れているようで、まだぼんやりとしていた少年の心にそれらの光景が意味を
なすまでしばらくかかりました。
ハッと我に返ってアリスの乳房から手を退けたスターリングは、その脳裏に、たった今、
自分がガールフレンドにしてしまった事がまるで映画の一コマ一コマのように鮮明に甦り、
顔を蒼ざめさせました。
「ああッ! ぼく、なんてことしちゃったんだ!
アリス・・・アリス・・・ねえ、アリス、お願いだよ、返事をしておくれよ」
「んん・・・スター、リング?」
「ああ、ぼくだよ
ごめんよアリス、君の胸に触ってると、それがあんまり気持ちよくって、その内、自分でも
何をしてるか分からなくなっちゃったんだ・・・
君にひどいことして、こんなの言い訳にもならないよね・・・
もし、アリスが許してくれるなら、ぼく、なんだってするよ
それで君の気が済むなら、ぼくのこと、ひっぱたいてくれていいんだ」
「スターリング・・・
そんな顔しないで、だって、わたしが最初にそうしてって、お願いしたんだもの
男の子は、女の子のお胸を触るのが大好きなんだって、おばあさまも言ってたわ
だからきっと、これってしかたのなかったことなのよ
それにね、さっき言ったでしょ?
わたし、スターリングに、何かされるのがうれしいのかもしれないって・・・
あれ、ほんとだったみたい・・・だから、スターリングは気にしないで」
「アリス、本当に君はそれでいいの?」
「ええ・・・ただ、ちょっと悔しかったかな?
ほんの1年くらい前まで、わたし、かけっこでも何でも、男の子に負けないと思ってたのよ
それなのに、あなたに上に乗られて、わたし、ぜんぜん動けなかった・・・
いつの間にわたし、こんなに弱くなっちゃったのかしらって
それに、ちょっぴり恐かったの・・・
わたしたち、あのまま一線を越えちゃうんじゃないかって・・・
あ、でも、一線を越えるって、どういうことなのかしら?
知りもしないことを恐がるなんて、変よね?
ねえ、スターリングは知ってる?」
「う・・・うん、ぼくも知らない・・・
だけど、ごめんよ、アリスに怖い思いをさせちゃったね・・・」
「スターリングったら、また、そんな泣きそうな顔をして・・・
いいわ、そんなに謝りたいんなら、わたしの言うとおりにしてくれたら、許してあげる」
「本当? ぼく、君の言うことなら、何だってするよ!」
「それじゃあね・・・スターリングも、わたしとおんなじに、裸になってちょうだい」
「え?・・・エエーッ!!」
「あら、何でもするって、うそだったの?」
「そ、そうじゃないけど・・・どうしても?」
「だって、わたしばっかり、さっきから裸のままなんですもの、そんなの不公平じゃない?
それに、わたし、身体中ベトベトで気持ちが悪いし、あなただって汗ビッショリよ
だから、一緒にお風呂に入りましょうよ
なんなら、ラスカルみたいに、わたしがスターリングを洗ってあげてもいいのよ?」
「い、いいよ、分かったよ、言うとおりにするよ
だけど、ぼくの身体、さっきから変なんだ、だから、見ても笑わないでおくれよ」
「もちろんよ、わたし、そんなことしないわ、だから、スターリング・・・」
「う、うん・・・」
スターリングは散らばっていたアリスの服をかごに戻したりバスタブに湯をはったりして
その時が来るのをぐずぐずと引き伸ばしていましたが、とうとう何もすることが無くなり、
アリスに背を向けて、服を脱ぎ始めます。そして、最後に下穿きを脱ぎ捨てた少年は、陽に
やけた顔を真っ赤にさせながら、膝を抱いて待っていた少女に向かい合いました。
「ほ、ほら、アリス、これでぼくも、君と同じになったよ」
スターリングを見上げた少女の目には、もうすぐ子供時代を脱しようとしている少年の、
自分よりも肩幅の広い上半身がとてもたくましく、好ましく映ります。
『なぁんだ、スターリングったら、ちっとも変じゃないじゃない?』
そう思ったのもつかの間、視線を下ろしていったアリスは、少年の股間に自分が想像して
いたのとはまるで違ったものがあるのを見て、目を丸くしました。以前、オシメを取り替え
られている赤ちゃんの股にぷにぷにした可愛らしいそれがついているのを見たことがあった
アリスは、少年のものも多少大きさが違うだけで同じようなものだと思っていたのです。
しかし、少女の目にしたそれは、赤ちゃんのものと見紛うべくもなく硬く張りつめて、腹に
つくほど反り返っていました。
「たいへん! スターリングのそれ、どこかにぶつけたの?!
そんなにパンパンに腫れちゃって、痛くないの?
もし痛いんなら・・・」
『スターリングもしてくれたんだもの・・・今度はわたしの番よね?・・・だから・・・』
「もしそうなら、そう言って・・・
わ、わたしが舐めて、治してあげるから!」
「ち、違うんだ! アリス、こ、これは、けがしたんじゃなくて・・・
アリスの胸を・・・その・・・触ってたら、いつの間にか、こうなっちゃったんだ
そりゃ、た、たしかにちょっとヒリヒリするけど、ほんとに、ほんのちょっとだよ
ここ、おしっこの出るとこなんだから、アリスにそんなこと、させられないよ
ああ、だけど、こんなの、ぼくも初めてだ・・・どうしたら元に戻るんだろう?」
今日の、これまでの出来事で、女の子の敏感な部分をボーイフレンドに触れられるたび、
恥ずかしさや苦痛の陰に隠れた、今まで経験したことのない快感をおぼろげながらも感じて
いたアリスでしたが、それが自らの肉体の内にひそむ女の肉感だと理解するには、まだ心が
幼すぎたのでしょう、ましてや、男の子の身体の一部に当の本人も驚くほどの生理的変化を
呼び起こさせたのが、相手にとって異性である、他ならぬ自分の肉体なのだという自覚は、
この時はまだありませんでした。
男の子の器官のそういう変化が異性の肉体を求める激しい欲求の表れで、今はそれがいつ
爆発してもおかしくない情況であり、その行為が実際に行われた結果が女の子である自分に
とってどのような危険をはらんでいるのか―――時には言葉巧みな誘惑に負けて、あるいは
ちょっとした油断から暗い裏道に押し倒され、年端も行かぬ娘たちが無理やり餌食にされる
事件が身近で後を絶たない都会のスラム街に住んでいたなら、同じ年頃でもとっくに知って
いたかもしれません―――しかし、そんなことがあるなど露も知らずに育ったアリスには、
男の性衝動に対する警戒心など持ちようもありませんでした。
『スターリングのがこんなになったのって、わたしのお胸にキスしたから?
そんなことで、男の子のこれって、こんなになっちゃうの?』
そう思うととても不思議で、他の女の子よりよほど好奇心旺盛だったアリスは、自分でも
気付かぬ内に、膝を抱いていた腕を解いて四つんばいになり、そのまますり寄っていって、
少年の真ん前にペタンと座りました。
そして、胸を隠すことも忘れて両手を床につけると、それを支えに顔を近づけ、初めて目に
した男の子の生理現象を珍しそうにためつすがめつ眺めます。
『スゴイ! 男の子のって、こんな形をしてたのね?!
先の方がくびれてて、まるで蛇が首を持ち上げてるみたいで、ちょっと恐いけど・・・
だけど、色はうっすらピンクがかってて、ちょっとかわいい、かな?
でもこれって、どうやって立ってるの? まるで、中に心棒でも入ってるみたい
それに、とっても固そうで、わたしが思ってたのとぜんぜん違うわ
これってやっぱり腫れてるんじゃ?・・・だって、普段からこうだったんなら、ズボンの
上からだって分かるはずなのに、わたし、今まで、スターリングのお股の前がこんな風に
膨らんでるところなんて見たことないもの・・・ホントに痛くないのかしら?
でも、こんなに大っきくちゃ、舐めてあげたくてもわたしのお口には入りきらないから、
いっぱいペロペロしなくちゃいけなかったわね・・・
そういえばスターリング、わたしのお胸に触るのが気持ち良かったからだって、言ってた
けど、男の子のって、気持ち良いとこんなふうになるんだ・・・』
『あ、スターリングにキスされたお胸がまだジンジンしてる・・・
わたしの、まだおっぱいなんて出ないのに、スターリング、まるで赤ちゃんみたいに一生
懸命吸おうとしてた・・・
わたしがお胸を舐めてもらったりしたせいで、きっと、亡くなったお母さまのこと、思い
出させちゃったんだわ・・・初めてお話しした時、スターリング、お墓参りをしていて、
とっても寂しそうだったもの・・・
かわいそうなスターリング・・・おっぱいを飲ませてあげられなくて、ごめんね・・・
わたしのお胸がもっと大っきくなれば、飲ませてあげられるようになるから、それまで、
もうちょっと待っててね
だけど、男の子にお胸を吸われるのって、なんだか変な気持ち・・・
つぶれちゃうくらいきつく握り締められて、とっても痛かったけど、お胸を吸われている
内に、だんだんそれだけじゃなくなって・・・
腫れぼったくなってヒリヒリしてるお胸の先を思いっきり吸われて辛かったはずなのに、
スターリングにそうされているんだと思うとなんだかうれしくて、いつの間にか、もっと
してほしいって、わたし、そう思うようになってた・・・』
『それに、本物のキスはまだだけど、お胸の他にも・・・さっき、スターリングのお口が
わたしの・・・あんなとこにキスされて、とっても恥ずかしかった・・・
だけど、お尻に当たるタイルがひんやり冷たかったのに、どうしてだかあそこがだんだん
熱くなって、あれからずっと、蚊に刺された後みたいにムズムズしてる・・・
ここをかけたら、きっと気持ちがいいんでしょうに・・・だけど、ここは女の子の大事な
ところなんだから、むやみにいじっちゃいけないって、お母さまが・・・
そうだ、スターリングのこれとこすり合わせたら? それなら手で触るわけじゃないわ!
身体をくっつけ合いっこするのって、おばあさまのお話みたいに、大人の恋人同士がする
ことみたいな気がするけど・・・
でも、もうわたし、恋人がするっていうキスを身体中にされちゃったし、わたしたち婚約
しててもう半分大人みたいなものだもの、だったら、もう少しくらいそういうことしても
かまわないわよね・・・
お胸みたいに、スターリングにギュウってされたら、そしたら、ここも、きっと・・・』
そんなことを考えた時、アリスは自分の内ももの付け根から生温かい液汁がトロリと伝い
落ちるのを感じます。
『ナニ? わたし、またおもらししちゃったの!』と思ってアリスはあわてましたが、その
汁は小水とは違ってネットリと流れ、おしっこの出る穴から出たものでもないようでした。
『じゃあ、これ何なの? どこから出てきたの?』そう考えたとたん、理由は分かりません
でしたが、何となくアリスには、これをボーイフレンドに見られるのはおもらしを見られる
よりももっと恥ずかしい事なんだという感じがして仕方ありませんでした。
ちょうど同じ頃、スターリングもまたただでさえ女の子に見られるのは恥ずかしい部分が
こんな状態になっているところを見つめられて、居たたまれなくなっていました。
それに、こんな風にいつまでも裸のままのアリスを前にしていると胸がモヤモヤしてきて、
また我を忘れて、今度はさっきよりももっとひどい事をガールフレンドにしまいそうな気が
します。
「ア、アリス、もういいだろ?
こんなの、そんなにジロジロ見られたら、ぼくだって恥ずかしいんだ」
そんな少年の言葉を聞いたアリスは、考えるより先に身体が動いてしまい、弾けるように
スターリングの身体に抱き付きました。
「ア、アリス!?」
「ほ、ほら、こうすれば、スターリングの、見えないから、恥ずかしくないでしょ?」
「だ、だめだよ、アリス!
そんなことされたら、ぼくッ!」
スターリングは、突然胸に押し付けられてきた少女の乳房の柔らかい感触に自分のそれが
ますますはちきれそうになっていくのを感じて、身体を遠ざけようとしましたが、アリスは
少年の首に腕を回して離しません。
それどころか、アリスはスターリングの硬く熱いものが下腹部に当たって身体を押し返され
そうなっても、それに逆らうように腰を圧し付けていきました。
スターリングのものが少女の秘裂にぬちっと湿った音を立てて当たり、しだいに喰い込んで
中の濡れそぼる肉びらに絡みます。そして、少女が身動きをするたび、まるでハーモニカの
上を唇が動くように、少年のものを咥えた少女の秘唇がその上をヌルッ、ヌルッ、と滑って
いきます。そのあまりに心地よい感触に腰がゾクゾクとしてきた少年のものからもいつしか
露があふれ出し、少女の雫と混じり合って陰嚢まで垂れていきました。
「アリス、ぼくっ、ぼくっ・・・ア、アリスゥッ!」
しびれるような快感に酔ってしまったスターリングは、無意識の内に更なる快楽を求め、
薄くとも確かに丸みを帯びた尻べたを両手に持って引き寄せ、敏感な小突起を少年のものに
こすり上げられたアリスは、雷に打たれたように頭の中で光が弾けました。
「ヒアッ! ナニ? いま、ビリビリって!・・・アアッ! また!
わたし、どうなっちゃったの?! わたし、怖い、怖いの、スターリング」
意識がはぜ飛んでしまいそうな、これまでに経験したことのない強烈な感覚に、アリスは
不安を抑えきれませんでした。
しかし、その同じ感覚をすでに快感と感じていた少年にアリスの言葉は届かず、まだ生白い
自分の竿を少女の割れ目にさらに押し付けていきます。
「アッ、アッ、アンッ、アッ、アアンッ、アッ、・・・・・・
熱い・・・熱いヨゥ・・・わたし、変なの・・・とっても熱いの・・・
スターリングゥ、わたし、わたし、どうしたらいいのォ?」
やがて、少女の肉体の中で、少年と同じ、いいえ、それ以上の快感が高潮のように満ちて
きて、もはや自分が何をしようとしているかも分からなくなり、今はただ突然巻き起こった
官能に命ぜらるるまま、キスをせがんで背伸びをするように爪先立ちになっていきます。
スターリングが経験した自らの肉体の思わぬ変化に動揺を隠せなかったのと同じように、
アリスもまた、秘部から愛液が溢れた時、それが何のためのものかは知らなかったにしろ、
そんなわけの分からない液体を分泌する自分の肉体がとてもいやらしく思えました。
そうしたアリスの取った行動は、二人の肉体をそう成らしめたそもそもの原因である、性的
興奮をいや増す結果となり、その虜となったアリスは、少女とは言えど生来に備わった女の
本能の求めに突き動かされ、己が幼い肉体を自ら性の祭壇へ捧げようとしていたのです。
もし今の体勢でひとたび少年のものに入口を割られたら最後、破瓜の苦痛で我に帰る暇も
なく、アリスは一気に貫かれてしまうでしょう。けれど、自分が処女であるということも、
まして、その純潔がいかに儚く失われてしまうものなのかということも、まだ知る由もない
アリスは、目覚めてしまった抗い難い本能に導かれるまま、背伸びしても届かない分を補う
ように、持ち上げた片脚を少年の腰にからげていきます。
ぬめる秘裂の奥に隠された禁断の花園へいたる入口に向かって、じりじりと、しかし着実に
迫って来るグランスの感触が、今少し身体を引き上げさえすれば少年を迎えられると教え、
アリスが相手の首に回した腕に力を込めて肌をさらに密着させた時、それは起こりました。
スターリングが『ウッ!』と呻いたのと同時に少年のそれがビクッ、ビクッ、と脈動して
アリスのお腹にとても熱い液体を吐き出していきます。
それは少年にとって初めての精通でした。あれほど高まっていた性衝動が一気に解放され、
スターリングはそれまで感じたことのない灼熱の快感に身も心も震わせます。
やがて、最後の一滴まで精液を出し切ったスターリングは、身体から力が抜けてしまい、
へなへなと床に座り込む少年の動きにつられて、アリスもその上に跨るように腰を落として
いきました。
Please don't use this texts&images without permission of otto.