〜 夏の嵐のように 1 〜
【 おばあさんと孫娘 】
数多の森と湖が美しい景観を織り成すスリーレイクスでのバカンスから帰って来て一週間
ほどが経ったある夜、スティーブンソン家の居間では、フローラがクラリッサおばあさんに
女同士の内緒話を持ちかけようとしていました。
「ねえ、おばあさま、わたし、おばあさまに、折り入ってお聞きしたいことがあるの」
「なんだい、フローラ、そんなにあらたまって」
「あの、こんなこと相談するの、おばあさまが初めてなのだけれど・・・
その・・・結婚のこと、なの」
「おや、フローラ、決心したんだね?
あたしゃ、賛成だよ、あの青年ならおまえにお似合いだと思うよ」
「い、いえ、相手がカールだって、決まったわけじゃないのよ!
これはあくまで一般的なお話で・・・そ、そう、わたしもそろそろ、そんなお話があっても
おかしくない歳頃でしょ?
だから、結婚って、どういうものなのかしらって・・・」
「おや? あたしは何時、おまえの結婚相手がカールだなんて言ったかね?
それとも、他にいい男(ひと)のあてでもあるのかい?」
「お、おばあさま・・・
わかったわ、降参します、だから、そんなにわたしを虐めないで」
「アハハハ、ごめんごめん、おまえがあんまり見え透いたことを言うもんだから、ついね」
「いやだ、わたし、みんなに分かってしまうくらい、そんなに素振りに出ていたの?」
「そりゃあね、ホテルに招待してくれたお礼状にしちゃあ、ずいぶんと分厚い手紙を書いて
いたし、折り返しに来た手紙を受け取った時のうれしそうな顔を見れば、おまえがカールに
ぞっこんだってことは、おおかた想像がつくというもんさ
大丈夫、カールならきっと良いだんな様になると思うよ
だけど、そういう話なら、いろいろと準備がいるし、まずは両親に相談しなくちゃね」
「それはそうなのだけれど、まだちゃんとプロポーズされたわけじゃないし・・・
もし、本当にそうなれれば、わたし、とってもうれしいのだけれど・・・だけど、ちょっと
不安な事が・・・
それでね、おばあさま、おばあさまにお聞きしたいのは、結婚した後の事なの
もちろん、お料理とかお掃除みたいな家の切盛りのことなら、わたしにだって自信はあるの
だけど、わたしのまだ知らない事があるでしょう?・・・
たとえば、カールとの・・・その・・・夜の・・・
こういう事、お父さまにはとても相談できないし、お母さまにだってお聞きしづらくって」
「だんな様との夜の何だって?・・・
ハハーン、なぁーんだ、そんな事を心配してるのかい?
つまり、アレの事だろ? セッ」
「おばあさまッ!」
「なんだい、おまえ、まるで生娘みたいに、なにもそんなに顔を赤くしなくても・・・
あっ、そうだったっけ! いけない、いけない、とんだ勘違いしちまった
あたしが子供ん時にいた西部じゃ、まだ、娘っ子が12、3で嫁にもらわれていくのだって
そんなに珍しくもなくってさ、あたしだって、おまえの年頃んときゃ、とっくにじいさんに
もらわれてて子どもも産んでたもんだから、つい、おまえがまだオボコだったってぇこと、
ど忘れしちまったよ・・・あたしももう歳かねぇ・・・」
「おばあさまっ」
「あ・・・ああ、だんな様との子作りの事だったね?」
「また、おばあさまったら、そんなあからさまな言い方、なさらないで
お父さまとお母さまはお出かけしてるけど、アリスは家にいるのよ
おばあさまにこんな恥ずかしい相談をしているところを、もしもアリスが聞いたら、きっと
わたしをふしだらな姉だと思うに違いないわ
それに、だいたいこんなお話、あの子にはまだ早すぎますもの」
「フローラ! 先を聞きたいなら、話の腰を折らないでおくれ、いいね?」
「分かったわ、おばあさま
でも、お願いですから、あまり声を大きくなさらないでくださいね」
『やれやれ、ほんとは興味津々のくせに、お上品に育ち過ぎるってのも困ったもんだ・・・
でもまあ、かわいい孫のためだ、ここはじっくり手ほどきしてやろうじゃないか』
「それじゃあ、初めは・・・そうだね、キスの話からにしようかね?」
「キス? それなら、わたし、平気だと思うわ」
「本当にそうかい?
いいかいフローラ、結婚式の後、ハネムーン旅行に出るおまえには、食事の用意も掃除も、
やることなんて何にもないんだよ、そして、あっという間に初夜を迎えることになる・・・
つまり、おまえの妻として最初のお勤めは、その身のすべてをだんな様へ捧げることなのさ
カールは、おまえの身体の隅々にキスをしていくだろうよ」
「隅々って、ベッドに入る時には寝間着を着てるのに、どうやって?」
「もちろん脱ぐに決まってるじゃないか」
「カールの前で裸になるの!? や、やだ、わたし、そんなことできないわ!」
「大丈夫、おまえがしなくても、だんな様がちゃんと脱がしてくれるからね
なーに、恥ずかしがる必要なんてないさね、きっとカールはおまえのことをきれいだって、
言ってくれるよ
それに、何もおまえ一人が素っ裸になるわけじゃないんだ、だんな様だって、ちゃんと全部
脱ぐんだからね」
「そ、そんな!・・・わたし、カールのこと、絶対見られないわ!」
「最初はそれでいいのさ
とにかく、初夜のベッドではね、だんな様の言う通りにしてれば間違いないよ
さて、じゃあ、続きを話そうかね?
カールはね、おまえのすべてを知るために、身体の隅々までキスしていくんだ
キスって言っても、口で吸うだけじゃなくって、舌で舐めたり歯で軽く噛んだり、もちろん
手も使って、おまえの悦ぶところを探すのさ
そういうのをペッティングって言って、文字通りだんな様に可愛がってもらうんだよ
ああ、言っとくけど、男はみんなオッパイが大好きでね、最初の頃はそこばかし触りたがる
もんなんだよ、思い出すねぇ、じいさんもそうだったっけ・・・
その点、おまえはカールを満足させられるに決まってるさ、何しろうちの家系の女はみんな
そうでね、今は小さいって気にしてるようだけどアリスだって近い内にそうなるだろうし、
あたしだって、今でこそしぼんじまったけど娘時代にゃ鬱陶しいほど男どもの視線を集めて
そりゃあ誇らしかったもんさ・・・
これこれフローラ、そんな疑わしそうな目で見るんじゃないよ
アー、オホン・・・ともかく、何回かシテる内に慣れてくれば、カールだって他のところも
たっぷり可愛がってくれるようになるから、オッパイを吸われても嫌がるんじゃないよ」
「そんなにオ・・・胸が好きだなんて、男の人って、なんだか赤ちゃんみたい・・・」
「そうだね、男ってぇのは大人になっても、どこか子供じみてるとこがあるからねぇ・・・
じゃあ、いよいよ肝心の部分を話そうかね?
ここまでなら結婚前の婚約者同士でも許されるし、あたしはあまり感心しないけど、近頃は
ステディな関係ってだけでもしている若い連中もいるそうだけど、ここから先は、いわゆる
一線を越えるっていうやつだから、心してお聞き」
「は、はい、おばあさま」
そう言うと、クラリッサおばあさんは声を低くして、フローラに耳打ちしていきます。
「カールに可愛がられている内にね、おまえの身体は、だんな様を受け入れる準備ができて
いくんだよ」
「受け入れる?」
「ああ、そうさ、神様はね、人の身体をうまく作って下さったんだよ
思い出してごらん、女の股には穴があるだろ?
じゃあ、男の同じところには、何がある?」
「い、言えないわ! そ、そんなこと・・・」
「いくらオボコだからって、おまえももうアリスみたいな子供じゃないんだ、男のアレの、
大体の形くらいは知ってるだろ?」
「そ、それくらい、わたしだって・・・」
そう言ったフローラは、スリーレイクスで脚に怪我を負ったカールの看病をした時の事を
思い出し、顔を赤らめました。
その時、夜もだいぶ遅くなり、カールの容態を心配するスターリングたちを自分が看るから
と言って帰らせたフローラは、ログハウスで一人寝ずの看病をしていました。
その内、怪我のせいで熱にうなされ汗びっしょりになってしまったカールの身体を拭こうと
彼のパジャマをはだけさせたフローラは、初めて間近に見たたくましい青年の胸にドキドキ
しながらも、かいがいしくタオルを当てていきます。そうして上半身を拭き終えた彼女が、
少しためらいはあったものの、下穿き姿だった彼の太ももを怪我に障らぬよう丹念に拭いて
いると、その最中に、彼の股間で何かがみるみる反り返ってきて、内側から下穿きをピンと
張り詰めさせ、布地にその輪郭がくっきりと浮かび上がるのを見たのです。
初めはそれが何であるのかが分からず、まじまじとそれを見つめていたフローラでしたが、
やがてその正体に気づき、あわてて目をそらしました。けれど、その光景は目に焼き付いて
しまい、その時の事を考えると今でも彼女の脳裏にありありと甦ってくるのでした。
「フーン、本当かねぇ? まあ、いいさ、じゃあ、話を続けるよ
結婚した男と女は身も心も一つになるって、よく言うじゃないか?
夫婦の心が一つになるにはある程度時間がかかるもんだけど、身体の方はね、結婚したその
夜にはもう一つになるんだよ
片方が出っ張ってて、もう片方が凹んでるんだ・・・
だったら、それを一つにするには、どうすればいいんだい?」
「・・・ウソ! そ、そんなの絶対無理よッ!!
だって、わたしのあそこに、そんなの入りっこないわ!!
それとも、わたしの、他の娘より小さいの?」
「バカをお言いでないよ、フローラ、そりゃあ、おまえのをじっくり見たこたぁないけどね
考えてもごらん、赤ん坊は女の股から産まれるんだよ、それに比べりゃ、男のものなんて、
高が知れてるじゃないか?
女の身体っていうもんは、そういうふうにできてるんだから、安心おしよ」
「ホントウに?」
「やれやれ、こんなに大きくなって、そんなことで泣く娘がありますか」
「だって、わたしのあそこが裂けてしまうんじゃないかって、本当に怖かったんですもの」
『まあ、それは半分当たっているんだけどね、かわいそうだけど、こればっかしはおまえが
一人前の女になるために通らなきゃならない道なんだから、我慢するしかないんだよ』
「さあさ、フローラ、いいことを教えてあげるから、涙をお拭き、それじゃあ、せっかくの
別嬪さんが台無しじゃないか
正直言えば、あたしだって、最初の1、2回は痛かったり辛かったりしたんだけどね
でもね、だんな様のものに身体が馴染んでくると、終わった後うっとりしちまって、身動き
できなくなるくらい、そりゃあもう、アレって気持ちがいいものなんだよ
どんだけ気持ちいいかっていうと・・・これからしゃべることは、おまえの母さんには内緒
だよ、でないと、嫁入り前の娘にそんな淫らなことを教えるなんてって、あたしが叱られち
まうからね・・・それでも聞きたいかい?・・・ウフフ、いい子だ
そう、あれは確か、あたしが結婚して一月もたってなかったと思うけど、もうその頃にゃ、
アレにすっかり夢中になってて、夜が来るのが待ち遠しくなっちまってたのさ
それなのに、月の障りが来ちまってね、おまえにゃ、こんな気持ち、まだ分からないだろう
けど、できない日が続くとあそこが切なくて切なくてしょうがなくなるんだ
だもんで、障りが明けたとたん、あたしゃ、じいさんにシテって、自分からせがんだんだよ
オアズケを喰らってた分、あたしゃ余計に燃え上がってさ、くんずほぐれつ、あそこが擦り
切れるかと思うくらい激しく愛し合ったんだ
しまいに胎の奥に子種が出されると、そりゃあもう、腰がとろけそうだったっけ・・・
だけどね、それでもあたしゃ満足できなくって、それからも何度も何度も、時にはあたしが
じいさんに跨ったりもして・・・そんな、鳩が豆鉄砲を食ったような顔するんじゃないよ、
男と女が愛し合うやり方は何も一つだけじゃないのさ・・・
それで、いろんなやり方でシテ、最後にゃ、気を失っちまったんだよ
分かるかい? つまり、アレはそれほどいいってことさ
だから、おまえも、きっとそうなるよ」
「そんなに・・・気持ちがいいものなの・・・・・・
ヤダ、そんなの困るわ!
そんなことになったら、きっとカールに、はしたない娘だと嫌われてしまうもの」
「フフフ、そんなこたぁないと思うけど、おまえにゃ、まだちょっと刺激が強すぎたかね」
「さてと、そろそろ年寄りは寝る時間だね」
「あ、ありがとうございました、おばあさま、お話が聞けて、とても助かったわ
よかったら、わたしの知らない事、また教えてくださる?
「あたしの話がおまえの役に立つんなら、あたしもうれしいよ
覚えておおき、フローラ、おまえたちはまだ若いから、時にはつまらないことで喧嘩をして
心が離れてしまうこともあるだろうけど、夫婦なんてもんは、身体を一つにできている間は
大丈夫なものなのさ
だから、話の最後に、夫婦別れしないおまじないを一つ教えてあげるよ
ベッドの反対側を向いて、ふてくされてるだんな様を一遍でその気にさせる、とっておきの
おまじないだよ
そうさね、今夜はキスで話を始めたから、締めくくりもキスの話にしようかね?」
「また、キス?」
「そうだよ、だけどこれは、だんな様からされるキスじゃなくて、おまえがだんな様にして
あげるキスのことさ
もちろん、特別のおまじないなんだから、口にする普通のキスじゃあないよ
どこにだか、おまえに分かるかい? 分からない? じゃあ、ヒントをあげようかね
おまえもアリスくらいの時、よく棒キャンディを舐めていたじゃないか? あれさ」
「棒キャンディ?・・・ま、まさかッ!!」
「おや、今度はすぐ分かったらしいね? 女が気持ちよく感じるところは山ほどあるけど、
男はアレに触られると一気に高ぶっちまうものなのさ
ぺろぺろ舐めたり、クュクチュしゃぶったり、口の中でしごいたり、子供の時分に母親から
そんな下品な食べ方をしちゃいけませんって、叱られたことを試してごらんよ、そうすりゃ
たちまちだんな様がおまえの身体にむしゃぶり付いてくるって寸法さ、そうして次の朝には
喧嘩のことなんかケロっと忘れて、もう別れようなんて気は起こさなくなるのさ」
「わ、わたしに、そんなこと、できるかしら・・・」
「だんな様もおまえのあそこにキスしてくれるはずさ、だから、おあいこだろ?
カールを愛してるなら、おまえにだってきっとできるよ
まあ、夫婦の秘め事ってのは千差万別だそうだから、それを二人して探していくのも楽しみ
というもんさ
さあ、今度こそ寝るとしようかね、おやすみ、フローラ」
「おやすみなさい、おばあさま・・・」
「わたしも、もうお部屋に戻りましょう・・・
でも、おばあさまのあんなお話を聞いた後じゃ、今夜はなかなか寝付かれそうにないわ」
二人が居間から去った後、隣の書斎から顔を出したのはアリスでした。
「もう、二人とも行っちゃったわよね?
フウ、肝心なところはよく聞こえなかったけど、なんだかすごいお話、聞いちゃった・・・
夏休みの宿題の調べ物をしてたら、ついウトウトしちゃって、気がついたらお姉さまたちの
声がして、盗み聞きするつもりはなかったんだけど、お姉さまのせっかくのコクハクの邪魔
しちゃ悪いもの、しかたないわよね?
ウフフ、お姉さまったら、わたしの思ってたとおり、カールのこと好きだったんだわ
いいなあ、お姉さま、恋人を持つって、どんな気持ちなんだろう?
わたしも、いつか、スターリングと恋人同士になれたらいいなぁ・・・
だけど、スターリングもやっぱり、お胸の大きな女の子がいいのかしら?
あーあ、わたしのお胸じゃ、がっかりさせちゃうのかなぁ・・・
でも、おばあさまの言ったとおりなら、わたしもそのうちお姉さまみたいになれるんだわ!
そうなれば、スターリングに見られても恥ずかしくな・・・や、やっぱり、恥ずかしいけど
大人の恋人同士って、そういうことをするものみたいだし、わたしたちが大人になるのって
まだまだ先だもん、今からそんなこと心配したってしょうがないわよね?
それにしても、おばあさまの言ってたおまじないって、きっと男の子のアレのことよね?
フローラ姉さま、本当にそうするのかしら? わたしならきっと、絶対しないなぁ・・・
あら、たいへん、いつもよりだいぶ遅くなっちゃったわ、わたしももう寝なくっちゃ」
そうして夜は更けていき、自分の部屋に戻ったフローラは、ベッドに横になりましたが、
いくら目を固くつぶってもなかなか眠りは訪れず、おっとりとしてはいても割と生真面目な
ところのある彼女がさながら勉強の復習をするようにクラリッサの話を反すうしていると、
その脳裏に、恋するカールに肉体を求められていく自分の淫らな姿が次から次へと浮かんで
きてしまいます。
『ナイティがはだけられていって、わたしは一糸まとわぬ姿に・・・
夜気に晒されて寒いはずなのに、あなたに見つめられる素肌がとても熱い・・・
あなたのたくましい腕に抱き上げられて、わたしは褥の上へ・・・
わたしはそこで、あなたの妻にしてもらうの・・・
息も止まるような激しいキス・・・その間にもあなたの指先が・・・』
フローラは、そっと重ねた手に自らの乳房を弄らせます。
『こんなふうに触るのって、変な気持ち・・・結婚したら、男の人に、カールに・・・
あなたはどんなふうになさるの?・・・あっ、乳首が・・・
こんなになったのを知られたら、はしたない娘と思われてしまうかしら・・・
でも、きっと、あなたはそんなことは気になさらず、わたしとは比べ物にならない力強い
その手で・・・
わたしの乳房、あなたに満足してもらえて?
だけど、あなたは、もちろんそれだけでは満足してくださらないのね?
だって、わたしたちの初夜の契りは、まだ始まったばかりだもの・・・』
恋人が彼女の身体の丘といわず窪みといわず、あらゆる所にキスの雨を降らせていく姿を
思い浮かべながら、フローラの手が下がっていきます。
『あなたの唇がわたしの身体の上を・・・息がかかるたびにわたしはきっと恥ずかしさに
震えてしまうけど・・・い、いいのよカール、わたしのすべては、あなたのものなのです
もの・・・だけど・・・だけど、その先は・・・
こんなところにキスされたりしたら、頭がおかしくなりそう・・・
ダッ、ダメッ、そんなところ、拡げちゃ・・・ああ、カールが、見てる・・・
わたしの・・・こんなにヌルヌルして・・・本当に、ここに・・・
まだ、恐いけど、あなたと結ばれるためなら、わたし・・・
イヤ・・・指が・・・ンッ・・・んんんッ! 指一本でもきつい・・・
こんなに奥まで入れたのに・・・まだ行き止まりじゃないみたい・・・
でも・・・きっと、あなたのなら・・・あんなに大きいんですもの・・・
キャッ! な、何、今の?! あそこが今、キュッって・・・これって何なの?
それにこの感じ、指の抜けたあそこが、まるでぽっかり穴が開いたように切ない・・・
おばあさまのおっしゃってたのって、これのこと?
そんなことって?・・・だって、わたしがこんなことしたの、今夜が初めてなのよ
それって、何回もシ・・・後のことじゃないの?
それとも、まさか、わたしの身体、そんなにも淫らにできていたの?
そんなのうそよね?・・・
もう一度、もう一回だけよ、わたしがそんなんじゃないって、確かめるんだから
今度はそおっとゆっくりと・・・またびっくりして抜いたりしてしまわないように・・・
たしか、この辺で・・・アッ、クゥッ・・・両手で押さえつけたせいで、根元まで・・・
ヒアッ! 中が・・・変! 内側がウネウネ勝手に動いて、指を締め付けてくる!
どうして? さっきより深く入れたから? 奥で動かしたから?
もう止めなきゃ、こんなことしちゃいけないわ!
だけど・・・だけど、中がむず痒くてたまらないの!
どうすればいいの? 中をこすったら治るの?
アアアッ! ダメッ! すればするほど酷くなってしまうのに、止まらないの!
イヤア! そんないやらしい音を立てないで!
ああ、カール! わたしの身体、どうなってしまうの?!
オネガイ! 助けて、カール・・・・・・』
それはまるで実際に起こった出来事のように、フローラの柔肌を疼かせ、初めての絶頂に
果てるまで、摘み取られるのを待つばかりに成熟した若い肉体を悶えさせていきました。
それに比べて未だ恋を夢見る年頃でしかないアリスは、それとは気づかぬ内に体つきこそ
思春期の芽吹きを見せ始めていましたが、その肉体に潜む女の肉感を実感するにはまだまだ
幼すぎたのでしょう、なにかにつけてチラチラと少女の胸元をのぞいてくるクラスの乱暴者
スラミーのように嫌らしい目で自分を見たことなど一回もなく、手をつなぐのでさえ照れて
しまうスターリングが自分に、それも素肌に触れてくるなんて想像もできませんでしたし、
たとえそれが大好きなボーイフレンドにでも、男の子に乳房にキスをされたりしたらやはり
恥ずかしいだけで、そんなことをされて嬉しいと感じる気持ちなどまったく理解できません
でした。
ですから、姉と同じ話を聞いても、『大人の恋人同士って、そんなことをするのね?』と
ちょっと驚いた程度で、まるで他人事にしか思えず、それよりもアリスにはスターリングと
毎日会えるようになる新学期が待ち遠しく、ベッドに入るとすぐにスヤスヤと寝息を立てて
少年と遊ぶ楽しい夢を見るのでした。
そんなアリスに、この夜の話をはっきりと思い出させる事件が、まもなく起きようとして
いたのです。
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